野球シーズンが到来したので、野球に関して話題2題。
ひとつは、プロ野球開幕スケジュールのあり方に関してである。パ・リーグが開幕してロッテとソフトバンクの好試合が展開されたが、セ・リーグはまだ開幕していない。そのセの巨人軍のホームグランド、東京ドームではアメリカ大リーグの開幕試合(レッドソックス対アスレチックス)が行われている奇妙な展開になっている。このメジャー・リーグの開幕試合をパの公式戦にぶつけるという無粋さは、常識的には考えられない。些か常軌を逸している。
すでに昨年ロッテのバレンタイン監督と当時の日本ハム・ヒルマン監督が、せっかく盛り上がったパの開幕試合に水を差すようなスケジュール編成はおかしいと指摘していたくらいである。レッドソックスの先発投手・松坂大輔ですら、パの開幕試合に気兼ねしてしまうと率直な胸の内を語っていた。日本のプロ野球が開幕して熱が入ろうという瞬間に、ファンの眼をメジャー・リーグへ向かわせようというのだから、日本のプロ野球関係者は一体何を考えているのか、仕掛け人が外部の人ならまだしも、主催者・読売新聞社は、普段の言葉とは裏腹に実際はプロ野球の興隆なんて屁とも思っていないことを暴露したようなものだ。球界の盟主を標榜する巨人軍のオーナー会社としては、血迷ったとしか考えられない。日本のプロ野球の発展を考えているどころか、日本人ファンのメジャー志向を煽っているとしか思えない。これには野球評論家諸氏が挙って反対していた。反対の意見が圧倒的であることぐらい、気がつきそうなものなのに、今日のマス・メディアのやり方らしく世論やファンの声には一切耳を傾けず、自分の都合だけを優先し、ただ金儲けに走る。どこかコンプライアンスに欠ける日本相撲協会とも共通点がある。
もうひとつは、選抜高校野球である。いつ見ても選手は溌剌とプレイしていて、清々しい。今日の第一試合は、中学2年生の時、2~3学期の僅か半年間だけだったが在籍した京都・平安中学の付属校・平安高校が21世紀枠の推薦校・愛知県立成章高校と対戦した。最後まで観たのは、創部百年目の平安が最多出場回数を誇る伝統校でありながら、4月から校名変更するというのが残念で、伝統の「HEIAN」ユニフォームの見納めと考えたからである。応援席には野球部OBが駆けつけていたが、その何人かは昭和31年夏の甲子園優勝メンバーで、私とは平安中学の同級生になる。龍谷大学付属平安高校というのが新しい校名だそうだから、「平安」という名前が完全になくなるわけではないが、元在校生としては些か寂しいし、系統が変わるわけでもなく、敢えて名称変更までする必要はないのではないかと思うのは、私の単なるセンチメンタリズムだろうか。
ラグビーの名門校である大阪の大阪工大高と同じく啓光学園高が経営母体の学校法人同士が統合されたことにより、来年からともに校名変更する。なぜか流行のように校名変更を簡単に決めてしまう風潮が見られる。かつての野球名門校、浪華商と中京商も校名変更により、それぞれ大阪体育大付属浪商高校、中京大付属中京高校となった。時代の流れかも知れないがどうもしっくりしない。
さて、最後の「平安高校」は反撃を凌いで勝ち残った。これでまだ「平安高校」は試合が出来る。
テレビから流れてくる校歌斉唱に合わせて、つい口ずさんでしまった。
♪紫匂う雲の彼方
希望の星の燃ゆるところ
目指し羽ばたく若き生命
燦たり ここにこぞる
おお 称えよ 称えよ
たぎる力を♪
(平安高校校歌)