339.2008年4月17日(木) 多摩大学公開講座始まる。

 多摩大学で今日から寺島実郎監修リレー講座が始まった。別途「現代世界解析講座」の2枚看板もあって、世界の現状と潮流を学んでもらうための、中々気合の入った好企画だと思う。前評判がよく社会人向きの定数はすぐ一杯になり、追加して280名、これに今年の新入学生400名を加えて大講堂に溢れんばかりの聴講生が耳を傾ける中で開講された。第1回は近日多摩大学長に就任される寺島講師ご自身が担当され、この講座の主旨について説明され、本題に入った。

 「21世紀に入って7年間の世界潮流の変化について」と題していつも通り抱負な統計資料を駆使して、独特の寺島流弁舌で口火を切った。7年間の世界経済の成長、中華圏の進出、中国貿易量の伸び、対中貿易と対米貿易の逆転、物流の流れの変化、東日本港湾の空洞化、ロシアの外貨準備高、アメリカの海岸線と内陸部との違い等について、統計と実感を通して持論を解析された。

 寺島講師の経済分析には、海外に散在する三井物産戦略研究所等から集めた膨大な統計資料を精査、分析したうえで、ご自身世界経済の最前線、重要地域を歩き、実態と臨場感に触れ、理論を肉付けして構築する一貫性が貫かれている。だから、説得力があり、現場を見て得た1次情報を下敷きに理論構築しておられる。寺島講師の話を聴講するのは、今年に入ってから3度目だが、いつもながら明快で気風のいい話ぶりに感嘆しきりである。

 冒頭主旨説明で、この講座の2つの狙いとして、①(平成生まれの)学生に時代のダイナミズムを知って欲しい、②創立20周年記念企画、を挙げられた。

 来週以降も有名講師の話を聞ける学生も幸せである。

 「知的生産の技術研究会」から八木会長、秋田事務局長、高橋茂人さん、小林尚衛さん、大分から永留浩さんが出席された。終わって次回講師の久恒啓一多摩大教授ご夫妻を囲んで食事をした。久恒教授も宮城大学を辞めて4月から多摩大へ移られた。11年間の仙台生活や、宮城大学時代の悲喜こもごもの内輪話を伺った。この講座シリーズも、知研の集まりも知的興味を刺激してくれる。こういう機会に巡り合えるのは幸せだと思う。

 これから毎週続く公開講座であるが、ぜひ聞いてみたいと思っていた講師が続々登場するので大いに楽しみにしている。

 それにしても、多摩大学に欲を言っては悪いが、ロケーションが少々不便である。永山駅からスクールバスで行ったのだが、スクールバスの停留所が中々分からず、駅近くで3回も人に尋ねる有様だった。この次来る時は近所に駐車スペースを見つけて、何とか車で来ようと思っている。

2008年4月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com