632.2009年2月4日(水) 私企業支援はもっと慎重に検討を

 今朝の日経紙のトップ記事は、半導体メモリーの専業メーカー・エルピーダが公的資金の申請を検討しているというものである。はてなと考えてしまった。アメリカ政府が、金融機関を始めとして自動車産業への公的資金投入の検討を始めた時、国民の税金を私企業の救済のために使うことが理にかなっているかどうかという議論が起きた。この問題は、大統領が交代したこともあって、まだ決着がついていないが、資本主義の牙城であるアメリカでは当然の疑問である。日本にしても然りである。

 しかし、日本政府は一時的な業績不振に陥った企業への信用補完で経済を安定化させることを狙い、今国会で産業活力再生特別措置法という長ったらしい法律の成立を目論んでいる。この辺の問題発生から結論へ至る道筋がどうも不透明で、国民が蚊帳の外に置かれている印象が否めない。

 エルピーダは国内唯一の半導体メモリーメーカーで、世界市場でも3位のシェアを誇っている。技術力も優れている。この優秀な企業が立ち行かなくなった場合、日本にとっても大きな損失であることは論を俟たない。難しい問題だが、だからといって国民の税金を1民間企業支援のために注ぎ込むことが後々問題を残すことにならないか。やはりもっと議論を戦わせて、誰もが納得のいく結論を出したうえで実行して欲しい。簡単に法律を作るなど、あまりにも拙速に過ぎるのではないか。

 今日もNHKは国会審議を中継している。今急速に俎上に上がった問題は、国家公務員の天下りと渡りである。これに麻生首相は手を焼いているとの印象がある。だから、考えがぶれて支離滅裂で国会答弁もくるくる変わる。昨日は一応「天下りと渡りを今年いっぱいで廃止する政令をつくる」と答弁した。しかし、マス・メディアの論調は言葉通り受け止めていない。第1に自民党議員の一部と役人の抵抗にあってスムーズに進まない。第2に、3年後に官民人材交流センターなる官僚就職あっせん組織がスタートするからである。この間元水産庁長官の天下りの悪例が明るみに出た。天下りの度に退職金を手にして、その総額は3億2千万円とも言われている。天下りは勿論悪いが、普段から高待遇の役人のあり方を再検討してみることの方が重要ではないかと思っている。

 そうでなくても日本は役人がやりたい放題の役人天国だから、少しはブレーキをかけなければダメだと思う。

2009年2月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com