読売新聞社がイギリスのBBC放送と共同で実施した21カ国対象の世論調査で、「世界に与える影響」というカテゴリーで日本は良い影響力を与える割合が56%の第3位だった。意外な評価にびっくりだ。こういう調査は初めてであるが、日本の印象が世界で思った以上に良いのは嬉しい。裏を返せば、どぎつさがなく淡白で、外交面で際どい勝負を挑まない側面があることを見透かされているのではないか。つまり考えようによっては、影が薄いということでもある。トップはドイツ、2位がイギリスである。日本は悪い影響力でもそれほど酷いということがない。23%である。良い影響力より、悪い影響力の強いのは、アメリカ、中国、ロシアと並んでいる。この3カ国は悪い印象の方が良い印象を上回った。いずれもパフォーマンスにおいて目立つ、あくの強い国である。外交の相手としては、タフな国である。この順序は大体予想されるところであり、こういう国の人たちは外国へ行った時には肩身が狭いのではないかとつい同情したくなる。
問題は外国から評価が良いということは、交渉相手としては楽であり、押せば押しきれるということでもあり、反面頼り甲斐がなく日本のペースで出来ないという風にも解釈出来るのではないか。国際的な外交の場における活躍という点でも明らかである。何と日本の国際外交におけるアッピールが薄いことか。
悪い影響を与える国では、イラン、パキスタン、イスラエル、北朝鮮という順序である。いずれも政治的に、社会的に問題を抱えた国家である。結局政治と外交のイメージが悪いとこういう結果になる。
日本の場合、過去にはともかく現在あまり他国に迷惑をかけることも少ないし、自己主張もあまりしない。嫌われる要素が少ないことが、こういう好感度という結果になったのではないか。しかし、せめて政治家や、外交官にはもう少し日本の立場を国際舞台でアッピールしてもらいたいものである。