3378.2016年8月12日(金) 中国漁船沈没と伊方原発再稼働

 オリンピックも今やたけなわで日本選手の活躍もあり、テレビは各局とも朝からずっと賑々しく放送している。今日も競泳女子200m平泳ぎで金藤理絵選手が金メダルを獲得したと伝えられた。すると金藤選手のスランプ時の苦労話をドキュメント風に演出した画像が映し出される。金メダルを獲る選手が現れると銀メダルも銅メダルもやや影が薄くなる。先日男子400m個人メドレーで金メダルを獲った萩野公介選手が200m個人メドレーでは銀メダルに甘んじるや、金を獲った水上のレジェンドであるアメリカのマイケル・フェルプス選手に話題が集中する。

 その他に男子卓球で水谷隼選手が銅メダルを、柔道男子100㎏級で羽賀龍之介選手が同じく銅メダルを獲得した。

 準決勝へ進んだ7人制ラグビーはフィジーに敗れ、3位決定戦で南アフリカにも敗れて4位という結果になった。しかし、メダルこそ獲得できなかったが、ラグビー強豪国が争う中で4位になったということは素晴らしいことだと思う。身体で劣る日本チームにとっては、15人制以上にスピードとスタミナを要求される7人制の方が活躍の場が広いと思う。2019年には日本でラグビー・ワールドカップが開催されるし、その翌年には東京オリンピックが待っている。今回の成績を糧にして、東京オリンピックではぜひメダル獲得を目標に強化に励んでもらいたいと思う。

 一方、オリンピックの熱気に浮かされている間に、日本国内及び周辺海域では政治的、社会的に大きな動きがあった。

 このところ尖閣諸島周辺の日本領海に侵入してくる中国公船と漁船に対して、日本政府は度々中国政府に対して警告を発しているがまったく効き目がなく、中国公船の領海侵入はエスカレートするばかりである。そんな折も折、昨日思わざる事件が起きた。尖閣諸島周辺の公海上で中国漁船がギリシャ船籍の貨物船と衝突し、沈没してしまったのである。乗組員のうち6名は近くにいた日本の海上保安庁巡視船によって救助され、日本政府はことの次第を中国政府に連絡した。それに対して中国政府は乗組員の救助について謝意を表したが、その事実の詳細、特に日本の巡視艇が中国人乗組員を救助したことについては中国国内では伝えられず、一部ネットで事実を知った中国人には、日本の公船が中国人を救助したのは、中国領海で日本が実効支配しているからだと誤解を以って理解されたようだ。

 中国政府は中国漁船沈没の事実を正確に国内で伝えず、日本が人命救助をしても口先だけの謝意表明で済ませ、まったく誠意も誠実さも感じられない。孔子や孟子が生まれた国の言動とはとても思えない。流石にアメリカも中国が日本領海に立ち入ることに深刻な懸念を表明している。

 さて、国内でもうひとつ難題を抱えることになった。今日四国電力伊方原発3号機が再稼働したのである。5年前に定期検査に入って原子力規制委員会の検査を終了して再び稼働したわけだが、安全性については本当に大丈夫なのだろうか。今朝の日経と朝日夕刊ではまったく触れられていないが、去る4月の熊本地震以後余震の続いている影響はないのだろうか。地震発生直後は、熊本、大分、そして愛媛県佐田岬まで地下断層が繋がっており、佐田岬にある伊方原発が心配であると報道していたが、一旦嵐が去るや背に腹は変えられないのか知事も、電力会社もいかに原発反対の声があろうとも突き進む考えのようだ。

 これには地元住民の声が最も切実で効果的であるが、地元経済盛り上げの観点から心ならずも本音とは別の決断をせざるを得ない人たちも多い。だが、純粋に原発の安全性と経済性の観点から主張できるメディアが、コメントひとつ言及しないのは、メディアの劣化ぶりを示しており、原発廃止の前途は暗いものに思えて仕方がない。

2016年8月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com