749.2009年6月1日(月) 巨象GMついに倒産

 ついにGM社が連邦破産法11条を申請して倒産することになった。形式的にはアメリカ連邦政府が追加支援して再生を図る。従って再生の道は残されている。その追加支援額が3.8兆円だという。小さな国ならいくつか買収出来てしまうほどの巨額である。果たしてこれで思惑通り天下のGMが再生出来るかどうかは分からない。資本主義社会の企業経営というのは、自己責任であったはずである。それが倒産させるより国が手を貸して再生させる方が、国家経済のためには長期的にみれば得策であると判断したわけである。しかし、これだけの大金を1企業のために投資することは、資本主義経済の原則から逸脱している。経営者が安易に困ったら国に頼ると思われては困るのではないか。中国は共産党が支配した社会主義国家と言われているが、最早資本主義化している。他方でアメリカは資本主義の権化といわれながら、このような私企業へ国家財政をつぎ込むというのは社会主義的であると言わざるを得ない。今までのGMから事業を引き継ぐことになる新生GMが支援金を受け取ることになるが、ふっと昭和40年の山一證券救済時の日銀特融の折の所有株式振替伝票発行の手作業を思い出した。

 あれはまだ経理部に配属されてまもない経理でド素人のころに、破産した山一證券所有株式の処分について、上司から言われるままに振替伝票を切った。一旦倒産した当時の山一證券を旧山一證券として、名称をそのまま使い、日銀特融を受けて新たに発足した新山一證券を㈱山一とした。その後旧山一證券を清算して、㈱山一を山一證券に戻した。こんなトリックみたいなことをよく考えるものだと、当時は感心していたものだ。あれから44年が経った。

 スケールが違うとはいえ、今世界のGMが同じような手続きを踏んでいる。当分アメリカ経済も辛抱の時だろう。

 夜ゼミの仲間・池田博充くんと電話で話していたところ、彼が今日同じゼミ仲間の読売新聞の滝鼻卓雄くんとばったり会ったそうだ。滝鼻くんも今月で読売新聞東京本社・社長を辞めて、読売巨人軍のオーナーに専念するらしい。では、オーナー面していた「ナベツネ」こと渡辺恒雄会長はどうなるのかと聞いたら、渡辺氏は巨人軍では会長ではなく、一取締役に納まるということだった。ホット・ニュースである。

2009年6月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com