鳩山邦夫・総務大臣が辞任した、というより更迭された。日本郵政の社長人事がもめたことで、世間に混乱したという印象を与えたことが麻生首相の最終決断「更迭」となった。それぞれの言い分は分かるが、私見としてはこれで良いのではないかと思う。
しかし、一寸先は闇の政治の世界であるので、このままでことは済まないのではないかとも考えている。佐藤勉・国家公安委員長が後任を務めるようだが、多分新総務大臣が西川社長の首を切るのではないか。というのは、西川社長にまったく失態がなかったわけではない。鳩山氏が再三追求しているように、カンポ宿の一括売却問題、東京中央郵便局立替問題、第三種特別郵便料金詐称問題など会社の最高責任者がまったく責任をとらずに、監督者の大臣だけが辞めるというように一方の当事者だけを手討ちにする裁きは、必ずしも公平というわけでないからである。
それにしてもここへきて自民党内に鳩山氏への非難が集中したのは、だらだらした泥仕合の印象が余りにも手際が悪いとの印象を与えてしまったからだろう。印象を悪くした中でその最たるものは、鳩山氏の傲慢な話しぶりだと思う。今日のインタビューでも相変わらず取材記者を怒鳴るような恫喝ぶりだった。これでは何をやっても人は遠ざかると思う。その意味で鳩山氏は虚心に反省すべきである。さあ、次は西川氏の社長続投問題がどう動くかだ。
昨日WHOが新型インフルエンザの警戒レベルを世界的な大流行を意味する「フェーズ6」の最高度に引き上げたが、一旦国内では沈静化していた空気を再び拡大させることは間違いない。特に、南半球ではオーストラリア、チリを始めとして感染が爆発的に広がっているらしい。10日現在で世界の感染者は75カ国で、27,000人を超えている。日本でも565人を数えている。当分この騒ぎが沈静化するメドは立たない。
駒沢大学公開講座で「押し紙」という言葉を知った。新聞社が販売できない新聞を販売店に押し付け、それを回収処分する余った新聞である。「週刊新潮」のルポで公になった。驚くのは、余りにも多い発行部数と余分な「押し紙」数である。新聞社が加盟する社団法人日本ABC協会が公表する読売、朝日、毎日、産経4社の合計発行部数の約4割、810万部が「押し紙」だそうである。あまりのムダに唖然とする。新聞社、広告会社らいずれも厳しい経営を求められている最中に、この杜撰な公表数字は、企業からの広告辞退も増加するのではないかと懸念される。しかし、これが事実であるとするなら、やり方があまりにも無茶で無分別である。新聞社側は事実無根と猛烈な抗議をしているが、果たしてそう言って大丈夫だろうか。現在発売中の「週刊新潮」には、「押し紙」を運び出すグラビア写真まで露骨に掲載されている。今後新聞社側はどう反撃に出るか?