民主党が天下を取ったので、国会運営を始め役所の運営もこれまでより難しくなったようだ。国会の日程は再来週辺りに特別国会を召集して首班指名する予定だ。選挙に敗れた自民党では総裁である麻生首相が辞意を表明したにも関わらず、総裁任期が今月28日に切れるということから、総裁をその日に決定する。従ってその前の特別国会において、辞意を表明している麻生太郎を次の総理大臣候補として首班指名する、奇妙な事態になりかねない。だが、果たして全自民党員が国会の首班指名の投票用紙に「麻生太郎」という名前を書くのだろうか。流石に記者会見でもその点について質問されたが、麻生首相は一向意に介していないようだった。違った意味で「大物」である。
目新しいところでは、民主党が官僚主導を是正するために、国会議員を各省庁へ派遣することを考えているが、それ以前に新たに「国家戦略局」と称する官僚を抑えるための組織を、各省庁とは独立した形で立ち上げる。各省庁が従来のように予算を財務省に上げるのではなく、「国家戦略局」で予算の方針と概略を決め、それを省庁へ下ろすということを検討しているようだ。予算分捕り合戦を防ぐ意味では大変効果的であるとは思う。
昨日になって八木哲郎・知研会長から一杯やりましょうとの話があり、新宿へ出かけた。高校の先輩で知研の杉沢達也監査役、久恒啓一理事長を交えて食事をした。民主党の勝利が嬉しくて一杯やる気になったと言っておられた。以前から小沢一郎の能力を高く評価して、一度民主党に政権を取らせてやりたいと言っておられただけに、その気持ちも理解出来る。自民党の古い体質が嫌われ、新しい政党が国政を担うことになったので、確かに気持ちは高揚してこれまでのように政権は変らず、議員数がプラス・マイナスだけの変化よりは大分いい。期待は大きいながらも、民主党は寄り合い所帯だけに壊れ易い。そんな懸念材料がある中でスタート間もない民主党内に、早くも小沢前代表を取り巻くグループから不満の声が聞かれるという。その不協和音が、そのまま内紛へ発展しなければよいが・・・。