国会論戦もたけなわで、政権構想を発表した鳩山民主党内閣が、初めて野党・自民党から質問を受ける新しい構図となった。
鳩山首相の所信表明演説では、精一杯やろうとしていることを率直に語っている印象を受ける。自民党政権のように言辞ばかり弄してお茶を濁すような誠実味が欠ける話しぶりではない。しかし、どうも閣僚の言葉がぶれていることと、財源が足りない中でどう政策立案をしていくのかとの具体的なプランが示されない。消費税は当分上げないということをマニフェストで約束している。そこで最近急に持ち上がってきたのが、タバコ税の値上げである。値上げの理由を健康と環境問題に絡めて、しかも諸外国に比較して日本のタバコは安いという価格比較論から、反対は精々タバコ葉生産農家とJTタバコ産業ぐらいだと覚悟を決め押し切るつもりのようで、このままタバコ値上げが実施されそうな流れだ。
それにしても普段鳩山首相は個人的には清潔な感じを受けるが、どうしてこうも不透明な金の問題が後から後から噴出するのだろうか。資金管理に無頓着というか、脇が甘いのか、これだけ連続的に金の問題が浮上するようだと普通なら失脚だ。
以前に2005~08年分の収支報告者で、故人や未献金者の名前を勝手に使った偽装献金問題、また同じころ2億4千万円と記載されたパーティ券収入についても水増し虚偽記載が判明した。
今回首相の資金管理団体が、またもや会計帳簿上偽装工作をしたことが分かり、東京地検特捜部が説明を求めるとしている。
何ゆえ金満家の鳩山首相が、偽装工作を繰り返すのだろうか。記帳間違いだなどと責任逃れを繰り返しているようでは、監督不行き届きで総理大臣の椅子などに座ってはおれまい。清潔と思われていた鳩山首相の信用はがた落ちである。トップたるものはもっと清潔であって欲しいものである。
ここ数日間、アメリカのフロリダ州マイアミ市に住んでおられる鹿住一夫さんと仰る、日本人の方とメールのやり取りをしている。昨年もコペンハーゲンから現地でガイドをやっておられる日本人女性からメールをいただいたことがある。稀なケースである。鹿住さんは台北生まれで戦後日本に引き上げられ、日商岩井に勤めて主にカナダに勤務された後、バンクーバーで起業され、現在マイアミ市で会社を経営されておられる。ニューヨーク大学大学院からMBAを取得しておられる。
今日渋谷のお留守宅から12月に出版予定のご著書「マイアミ発異文化紀行」を送っていただいた。文芸社発行のものである。先日突然メールでマイアミから文芸社についてお尋ねされご返事したことがきっかけである。海外に住んでおられる日本人の中には、日本では考えられないほど元気に活躍しておられる方がいる。鹿住さんは在米40年で現在79歳と仰る。驚くほど元気なご様子である。あやかりたいものだ。
今晩放映されたNHK・BS番組「プレミアム紀行・夢の聖地」は、1時間半に亘って華道家・仮屋崎省吾氏が、5日間フランス・ノルマンジー地方のジヴェルニーのクロード・モネの庭園で庭師の作業を手伝いながら庭園を紹介する趣向だった。2001年にここを訪れた時、その自然のままのガーデニングでありながら、繊細に手入れされた庭園の素晴らしさに心を打たれたが、今日は庭園の出来るまでの歴史について風景を交えながら説明してくれて、睡蓮の咲く池の様子がよく分かった。仮屋崎氏の活動ぶりもよく、モネの庭造りと絵画に対する思い込みも分かった。全体として一般道を挟んで花の庭園と水の庭園に区分けされているが、水の庭園は後になってモネが土地を買い、周辺住民と揉めた末にセーヌ川支流から水を引き込んで睡蓮の池を作ったというモネの苦労話は知らなかった。教育的で良い番組だった。