907.2009年11月6日(金) アメリカ陸軍基地内で軍医が銃乱射で13人殺害

 トヨタ自動車が最高峰の自動車レース・F1から撤退することになった。すでに日本の自動車メーカーはすべてF1から撤退することを表明している。三菱自動車は、パリダカ・ラリーからの撤退も決断した。やはりこの不景気の時代に、開発費用として毎年数百億円も注ぎ込まなければならないのは相当な負担になる。これまで過大な費用負担が経営の足かせとなっていた。私のようなカーレースに格別関心のない者の目から見ると、カーレース自体の意味や価値がよく分からない。確かに宣伝にはなるだろうし、エンジン開発等に役立ってはいたのだろうが、以前から投資効果を考えるとむしろ足を引っ張っているのではないかとの懸念があった。

 先日まで開催されていた東京モーターショーも、開催前から入場者の減少が心配されていたが、案の定、目標の100万人を大きく下回り、61万余人だった。前回(2007年開催)より開催期間が4日短縮(前回17日、今回13日)されたとは言え、対前年-57%だというから、今後も車の販売に相当暗い影を落とすだろう。日産は今年度決算を大幅に上方修正して黒字1,200億円と予想している。ホンダ、スズキもまずまずの決算に落ち着きそうだ。しかし、国内販売市場で販売台数トップ、またプリウスが5ヶ月連続でトップにも拘らず、トヨタは最終決算が2,000億円の赤字予想だ。三菱ほかの自動車メーカーの前途もまだまだ厳しいようだ。

 今週に入って株価は下がりっぱなしで、まだどこを向いても景気の良い話は聞こえてこない。朝日のコラム「経済気象台」はこう指摘している。「海外投資家の間では日本の株式市場の低迷の原因は、市場原理主義の行き過ぎを批判した民主党政権にある」と。

 ところで、今日アメリカ・テキサス州オースティンにある、フォートフッド陸軍基地内で軍人の乱射事件があり、13名の兵士が亡くなり、30名が負傷した。アメリカ国内では銃による殺傷事件が後を絶たないが、それはすべて民間人による殺傷事件で、今度のような陸軍基地内で軍人が銃を乱射して同僚を射殺するというのは、滅多にないショッキングな事件である。しかも犯人は、同じ基地内の精神科医師だというので、基地内外でも大きな波紋を呼んでいる。兵士の精神的病を治療する軍医は、ヨルダン系アメリカ人でイスラム教徒という出自もあり、基地内でいじめを受けていたらしい。イラク派遣が決まり悩んだ末に自らを治療出来ず、凶行に及んだ。

 フォートフッド基地はアメリカ陸軍最大の基地で、5万人の兵士が駐屯し、基地内には1万7千人以上の家族も生活している。イラクとアフガンへの派兵拠点で、それだけに戦闘行為がもとで精神的な疾患に苦しむ兵士の増加が深刻な問題を提起している。近年心的外傷後ストレス障害(PTSD)など精神的な疾患の増加が目立つらしく、基地内で今年だけで何と75人の自殺者を出しているという。

 表面的な戦死者数だけではなく、その陰には遥かに多くの精神障害を煩っている兵士がいる。いつまで続く戦争か皆目予想もつかないが、戦争は戦闘行為に関わる兵士、その家族や周囲の人びと、そして戦地で被害を蒙る住民の犠牲を考えれば、何としても止めるべきである。ベトナム反戦にも関わったが、最近かつての反戦運動のような国民運動が起こってこない。どんな戦争であっても人類同士の戦いは絶対やめさせないといけない。今日の銃乱射事件はオバマ大統領も特別のステートメントを発表した。相当ショックを受けたようである。その点で日本もインド洋上の海上自衛艦派遣を取り止めることを公表したが、どんな非難があれ、それで良いと思う。

2009年11月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com