日本航空の再建問題が喧しい。会社側は昨日苦渋の選択として、全社員の冬のボーナスを全額カットする考えを日航社内8つの組合に提案した。現役社員の受けるこの厳しい負担に対して、早速前原国交相は評価する意向を示し、OBに対しても同様の負担を負うよう望むとコメントした。つまり、OBの年金受給者に対して、ネックになっている年金減額を呑めとの圧力である。法律上は受給者の2/3以上の同意を得なければ、年金支給減額を無理やり押し付けるわけにはいかない。そこで、当然反発が予想されることを見越して、国交省では年金支給額を強制的に承認させるために、特別立法の検討も始め出した。うかうかしていると今月中にもつなぎ資金が必要な日航は、破綻しかねない。相当な抵抗が予想される。実際今日の朝日の「声」投書欄にもOB社員から、「JAL年金バッシングに憤り」と題して胸の内を吐露している。「会社の拠出もあるにせよ、年金原資は在職中に積み立て、また退職金から希望により拠出したもの」とご尤もな言い分である。そのうえ儲からない空港を作ってそこへ就航させた国とJAL経営陣の犠牲になったと憤慨している。
現在厚生年金と企業年金をいただいている立場から言えば、本当に気持ちが分かるし、同情せざるを得ない。しかし、どう見ても気の毒ではあるが、JALの現状を考えればこのまま国の意向通り進むのではないだろうか。
それにしてもJAL社員のボーナス・全額カットや、平均的に大企業の冬のボーナスが対前年比14%減に比べて、人事院が助言した官公庁役人の冬のボーナス案が、対前年支給額比6%減とは、やはり役人は恵まれて気楽な商売だ。
明るい話題。日本シリーズで読売ジャイアンツが4勝2敗で、日本ハムを破り7年ぶりに優勝した。危なっかしい綱渡りのようなシリーズだった。昨日の逆転勝ち、そして今日も「試合に負けて勝負に勝った」試合だった。
札幌で決着をつけたので、テレビでは顔を見られなかったが、ゼミ仲間のジャイアンツ・オーナーの滝鼻卓雄くんもきっと選手と一緒になって喜んでいるのではないか。