原宿の表参道にある元同潤会アパートが「オモテサンドウ・ヒルズ」となって、東京の新名所のひとつになった。その表参道が最近夜になると並木をライトアップして注目を集めている。以前にもライトアップしていたが、11年前に電気のムダ、環境問題から中止した。それがどういう主旨でどんな要望があったのか、今年再びライトアップされ夜になると賑わっているとメディアが騒いでいたので、お上りさんよろしく妻と夜景見物に出かけた。
土曜の夕べということもあり、JR原宿駅はプラットフォームから混雑していて入場者を制限して、下車客をさばいていた。話題の通りは黒山の人で前へ進むのも一苦労である。これが、公衆道路だからこの辺りの生活者にとっては随分ハタ迷惑なことだろう。表参道の両サイドのライトアップされた夜景は楽しむことが出来たが、ほとんどが若い人たちだった。話題の「オモテサンドウ・ヒルズ」の内部に入って洒落たショップをウィンドウ・ショッピングして見たが、この内部もすごい人混みだった。高級ブティックが並んでいて、これではリッチでないと楽しめないのではないかと感じた。
路地に入り込んだら道が分からなくなり、タクシーに乗ったところドライバーが、ライトアップして道路が混んで、ゴミが散らかり良いことはまったくないとこぼしていた。どうしてこんなものを復活したのかと大分ご不満の様子だった。聞けば、商店会もそれほど売り上げが上がるわけではなく、町内は汚され、なぜライトアップ復活に賛同したのか分からないと、車を降りるまでぶつぶつ言っていた。車の渋滞の様子を見ていると何となく分かるような気がした。まあ私には話のタネにはなった。
それよりシャクに触ったのは、東横線に乗った時、幌を被った車両の連結部分で小さい女の子が2人遊んでいて危ないので、そこから離れるように注意したら、何と傍に父親が黙って立っていた。一旦その場を離れた子どもが、再び同じ危険箇所に入り込んでも父親は頑として黙っている。呆れ果ててもう注意するのを止めたが、こどもが危険に晒されても無関心で、他人から注意されても知らん顔をしているのに出くわして、いよいよ世も末だと思った。周りを見たら周囲のシルバー・シートはみんな私より若そうな乗客に占領されていた。もう思いやりとか、親切心、常識とかを持たない連中が大きな顔をする世の中になってしまったのだ。こういう連中は年老いた時、自分たちは誰からも助けを必要としないとでも思っているのだろうか。
昔に比べて嫌な奴がふえてきたなぁ。まったく不愉快である。