今朝の日経紙に予定通り「知の現場」の広告が掲載された。東洋経済新報社発行の他の書物と抱き合わせの広告なので、他の書物に比べて特別に目立つというほどのことはないが、気にしていれば目に入ってくる。先月25日付朝日朝刊の広告よりは目立つようだ。
知研のHPにも「知の現場」の啓蒙・宣伝・広報用にプロジェクトの若手が立派なサイトを作ってくれた。まだ、半製品だが中々良く出来ていると思う。その中に関係者の写真、自己紹介、取材エピソードが載せてある。まだ、2~3人しか載せてないので、何とも論評しにくいが、私も写真、自己紹介、そして4氏とのインタビューに関するエピソードや感想を掲出してもらった。他の2人の写真が俳優なみのすっきりしたものであるのに対して、私の写真は「インド門」前で撮った一見浮浪者風のもので、些か見劣りがする。それはともかくラインアップが出来上がれば、結構面白いサイトになると思う。
昨年12月に元カーレーサーの片山右京氏が富士山で遭難騒ぎを起こし、同行者2人が亡くなったばかりだが、年末から年始にかけて悪天候により広い範囲で山岳遭難事故が連続して発生している。すでに今日2人の死亡が確認され、まだ生存者が冬山に取り残されている。明日にも遭難救助ヘリを飛ばすという。天候の急変による遭難と言われているが、気象判断も甘かったようだ。遭難者の年齢を見るといわゆる中高年者ばかりで、女性が多いのもひとつの特徴だ。これらの点を考えてみると昨夏北海道・大雪山の遭難事故と共通項がある。
昨今のレジャーブーム、健康ブームに乗って、中高年者の登山が流行となり、あまり登山の経験がなく、必ずしもしっかりしたリーダーに伴われない登山が増えてきて問題になっている。定年後の趣味として始めたハイキングから登山へ進み、一直線に冬山まで直行したような印象を受ける。どうも事前の研究やチェック、そして肝心な山の知識、基礎体力に欠けているのではないかと思うことがある。
昨年富山県中学生の立山集団登山のドキュメント番組をテレビで観て、その無謀さに呆れたものだが、その無分別な計画に対して教育委員会も指導、実施する学校もまるで意に介していないのである。無神経ともいっても好いほどリスク・マネジメントが出来ていなかったのだ。間違えば集団遭難にもなりかねない学校行事が、教育委員会のお墨付きを得て実施されている。こんな安易な感覚が今日の登山界にも、教育界にもあるのだとしたら由々しきことである。指導者も監督者も自分でリスク管理が出来なくなっている。このノーテンキは、むしろ社会全般に言えることではないかと思っている。これからこういう精神状態が蔓延するようだと何が起こっても不思議ではない。