情景だけ見ると春爛漫と行きたいところだが、夕べから全国的に東向きの強風が吹きまくり、北九州市内では駐車場内の駐車場屋根に女性が落ちてきて死亡したり、自衛隊東富士演習地では、野焼きの最中に火の方向が急に変わって3人が焼死したり、思いがけない事故が頻発している。北海道・旭川では92年ぶりの突風が吹いた。暴風警報も発令された。そこへ中国大陸から毎年やってくる黄砂が日本列島を覆い出した。
今日から始まった甲子園の選抜高校野球開会式でも空がどんよりと曇っていたが、あれも黄砂の影響ではないだろうか。
高校野球開幕とほぼ歩調を合わせて、昨日プロ野球パ・リーグが開幕した。桜も大分咲いて春を感じさせてくれる。来週と再来週には、それぞれお花見に誘われている。お彼岸の中日なのでお墓参りをしたいが、道路が混んでいるので一寸時期をずらせてお墓参りをしたいと思っている。
さて、懸案の沖縄普天間米軍基地移設問題の政府決定の期限が迫っているが、相変わらず結論が出そうもない。今月中に政府案を決定しアメリカと交渉して5月内に日本としての最終案を決定するというスキームだった。それが、今月中の政府案、5月内の日米間の決定というスケジュールがまとまりそうにない。最初から確たる腹案があったわけではなく、交渉の過程で一番無難な案にまとめようと思っていたようだ。しかも、昨夏の衆議院選挙を見据えて当初よりアドバルーン的なアイディアだった節もある。可能性が薄いにも拘わらず、基地移設先を沖縄県外とか、海外移設とか、普段から沖縄基地問題をまったく考えていないような提案だった。政府はあれだけ沖縄でも反対の強い米軍基地を、簡単に受け入れる自治体が沖縄以外にあると思っているのだろうか。
いま政府は一週間後に渡米する岡田外相に、ホワイトハウス、国務省、国防総省と非公式に意見交換させ、感触を得てアメリカの出方を探り出す予定である。しかし、まず日本案を提案しなければ、交渉にはならない。その日本案はこの期に及んで万策尽きて2つの案に絞られたようだ。ひとつは、日米間の合意事項である、辺野古のキャンプ・シュワーブへの移設であり、もうひとつは、現在の普天間基地を継続使用するというもののようである。これならアメリカにとって失うものはない。何と応えるか分からないが、内心大歓迎だろう。
連立を組んでいる国民新党はすでにキャンプ・シュワーブ陸上案を提案し、社民党は今も県外移設か海外移設に拘っている。前者は、沖縄県、名護市が強硬に反対している。後者はまったく見込みが立っていない。
この基地移設問題をよく考えてみると、民主党政権が基地問題、とりわけ沖縄住民の心情をまったく考えていないことがよく分かる。そして、決定的なことは政府が事案の解決のための順序、交渉、国民への説明等について、まったく無知、未熟であることが鮮明になった。政治手法と統治能力に欠けているのである。心配しながら見守っていたが、この状態では解決出来そうもない。当事者能力がまったくないのである。こういう人たちの集団に政治を任せてしまったことが、残念でならないし、国民のひとりとして情けない。沖縄県民にとっては、もしこのまま政府案通りに決定してしまうなら、はらわたが煮えくり返る思いだろう。
今更どうやってもこの基地移設問題の解決は難しそうだ。それにしても現政権が示すのは、稚拙な政治行動力だと思う。