1068.2010年4月16日(金) 中国政府の愚かな言論封殺

 二男が4年前に転勤以来勤務先である新潟へ行かなかったので、妻ともども1泊2日のスケジュールで新潟を訪れ、新潟駅前のホテルで本ブログを書いている。他には何の計画も立てなかったので、特別に訪れる名所旧跡もなく、その意味ではあまり建設的な旅行ではない。

 二男に会う前に時間があったので、「朱鷺メッセ」に行ってみようと考えた。調査不足とはこんなことも言うのだろう。観光コースにも入っていて市内バスも寄る場所なので、ついトキを飼育しているか、関係資料を展示している博物館ではないかと思ったが早トチリだった。何のことはない、コンベンション会場だった。「メッセ」という名の通り、日航ホテルに隣接された国際会議場で、早トチリもお粗末と言えばお粗末だった。メッセの隣に31階建ての高層ビルが建っていて、その屋上の展望台から佐渡も見渡せ雪山も見える展望が素晴らしく観光客が押し寄せると聞いたので、行ってみた。確かにその点では中々のビュースポットだった。可笑しいと感じたのは、「ベフコばかうけ展望室」というその名前だった。「朱鷺メッセ」を勘違いして訪れた場所が、「ばかうけ」というのは、いかにも馬鹿にされたようで情けない。

 夕食は久しぶりに二男と寿司店でゆっくり嗜むことができた。

 中国青海省の大地震は、死者が800人に迫っている。あまり素直でない中国政府は各国からの援助を断っている。まったく馬鹿げている。こんなことで苦しむのは、自国の住民であることが分かりそうなものなのに、中国政府は敢えて有難い援助の手を断わろうというのだから、やせ我慢していると云うべきか、思慮不足もいいところだ。中国政府はチベット族が多い地区に多くの外国人が入って実情をありのままにリポートされることを恐れているようだ。日本やアメリカなどは、救援・復興活動に取り組むとの声明を出したが、中国は外国からの救援隊の受け入れに消極的である。被災地までは遠く、外国の救援隊が現場に到着するのはかなり遅れるとか、四川大地震よりも政治的に敏感な地域に外国の部隊は受け入れられないと明かしている。台湾当局も、日本赤十字社も現地の混乱を理由に被災地入りを謝絶された。

 しかし、中国当局の真意ははっきりしている。共産党中央宣伝部が主要メディアに対して軍や救援隊による救助の遅れを批判する報道を禁じたり、被災者を慰問して回る共産党幹部の活躍を強調する報道を支持したり、詰まるところ通達では政府批判の報道を禁止し、党員を称揚することにある。

 ワシントン・ポスト紙では、核安全サミットの最大の勝利者は胡錦濤主席とヨイショしたが、救助が必要な被災者に救助の機会を与えず、事実を報道して、国民を惑わせて将来に禍根を残すことになりはしないか。言論弾圧がかつてのスターリン批判を引き起こした過去の実例を、現在の中国の指導部は気がつかないのだろうか。

 今のまま進むとすれば、いずれ中国指導層は大衆から激しく突き上げられる時代が来ると思うのだが・・・・・・。

2010年4月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com