昨日から福島瑞穂・社民党党首は政府の閣僚でありながら、普天間基地移設問題で政府の対応に対して不満を述べている。日米合意案の中に移設先を「辺野古」と記入し、閣内では記入せずにぼかすことについてダブル・スタンダードだと強く異議を唱えている。福島党首は社民党役員会でも辺野古と明記されるなら署名しないと述べ、あくまで反対を押し通すと主張した。こうなると、政府案がまとまらない。連立政権離脱や大臣辞任、さらには大臣罷免の話も聞かれる。
イデオロギーがまったく異なる社民党が連立政権に加わったことが、そもそも大きな計算違いだったのではないだろうか。
偶々今日鳩山首相の呼びかけで全国知事会が開かれた。ここでも首相自身と首相の手法に対して、厳しい声が浴びせられた。首相を支持する声は極めて弱い。松沢神奈川県知事の如きは、首相のやり方を厳しく批判して、挙句の果てに首相を名指して「無能」という言葉まで使った。連立政権も、民主党も、全国知事会もまったく智恵を出せない。総選挙時に謳った「普天間基地移設⇒海外移設、最低でも県外移設」のスローガンが最初から怪しく、やはり頓挫したのだ。はっきり言って最初から実現の可能性は少なかった。それを煽るだけ煽った結果が、自分たちの首を絞めることになってしまった。最初からボタンを掛け違えていたわけである。自民党議員は、元の自民党案に戻っただけではないかとこき下ろしている。
明日には、政府内で福島党首をどう処遇するかの結論が出るようだ。それにしても、相変わらず鳩山首相に国権の最高指導者としてのリーダーシップが見られない。まったく嫌になる。
さて、もうひとつ国外の大事件である韓国哨戒鑑沈没事件の影響は、朝鮮半島を一触即発の危険な状態に追い込んでいる。韓国内も緊張感が高まっているようで、この時期になぜ北朝鮮が敢えてこのような暴挙に出たのか、いろいろ憶測を呼んでいる。専門家は、最近のデノミ失敗により国家経済が破綻状況になった北朝鮮の上層部が、国民の批判の目を逸らすために危機感を煽ったという説、また金正日の後継者問題が原因とも指摘する。1983年のラングーン事件、87年の大韓航空機墜落事件の際も国内に問題を抱えていた。だが、ふたつの事件の直後にラングーンと同じ社会主義国家だった東ドイツを訪れたが、そこには特別不穏な空気はなかった。今度も何もなければ良いがと願う。