ワールドカップ予選リーグを勝ちあがり、決勝トーナメント1回戦に出場した日本代表チームは昨晩南米のパラグアイと対戦し、0-0のまま延長線でもケリがつかず、PK戦の末一人がゴールを外し惜しくも敗れた。全般的には押されていたようだったが、南米の強豪に対して堂々と勝負して惜敗したのは惜しんでもあまりある。勝負は時の運であるが、戦前は予選リーグ3連敗だと酷評され罵声の嵐の中で、よくぞここまで立ち直り勝ち残ってくれたと思う。岡田監督の采配とリーダーシップ、そしてリザーブの選手たちもくさることなく、レギュラー選手を支えた絆の強いチームワークが、結局チームとしてのまとまりを堅持することになり、一丸となって戦えた成果ではなかったのではないか。
一度は「辞めろ!」とまで非難され悪評サクサクだった岡田監督が、今ではヒーローまがいの持て囃されかたである。口の悪い高校の先輩・石原慎太郎都知事もはっきり言っているように、まさに「勝てば官軍」である。それにしても日本のサッカーもレベルが高くなったものだとつくづく思う。今回の善戦をきっかけにして、月刊誌「選択」6月号で指摘されたように、日本サッカー協会の内紛もどきの主導権争いを即刻止めるべきである。そうでないと次はないと協会トップたちは肝に銘じるべきである。
世界中がサッカーに夢中になっている間も景気の先行きに明るさが見えないせいか、先週から株価の下落が止まらない。先週1万円台を割った日経平均株価が、今日今年の最安値を示した。対前日188安の日経平均は9,382円にまで落ちた。ヨーロッパ全体の景気が不安定なこととアメリカの景気回復もまだ先のこととして投資家に見放されたようだ。
さて、夜のNHKニュースで「楽天」「ユニクロ」「日産」の社内事情について紹介していたが、いずれも社内の公用語に英語を取り入れる点に焦点を当てていた。特に、楽天の場合は2012年末までに全社員が英語をマスターして、会議はもちろん社内のメール、会話もすべて英語で行うという。すでに社内食堂のメニューは英語で表示されている。いくら海外との取引が多く、外国人社員が増えたとは言え、ここまでやるかと些か首を傾げたくなる。英語を習い、社内で英語を使うことは大いに結構である。しかし、英語をまったく使わない部署もあるはずである。それを英語オールマイティのような、社内規範は如何かと思う。日本語なら意思の疎通がスムーズな部署で、敢えて不慣れな英語を使うことによって、それが会社全体の営業活動にとって全面的にプラスになるだろうかという点に疑問がある。むしろ、日本語の力が衰え、日本語による表現力が落ちることも考えなければならない。
もう走り出したようだが、他の企業などでも今後同じような問題を抱える可能性があるが、一歩引いて考えて、果たしてアイディアが会社にとって、プラスとなるか、マイナスの恐れはないか、充分精査して欲しいと思う。