講師登録をして、これまでにも何度か講師を務めたことがあるNPO「シニア大楽」の講師紹介センターが、地方自治体の生涯学習企画担当者に向けて講師を紹介し、その選出についてノウハウを教える講座が今日飯田橋で開かれた。
先日私もデモンストレーション講師を務めることを申し込んだ。希望者60 人の中から私を含め15人が選抜された。企画は人気上々のようで、各自治体から幅広く100人の申し込みがあり、会場の都合で70人に絞った。各企画担当者は終始熱心に講師の話に耳を傾けていた。
スピーチは8分以内という制約があったので、皆さんそれぞれ不完全燃焼の気持ちに捉われたのではないだろうか。私は「海外旅行の楽しみ方と世界遺産の味わい方」のテーマでパワーポイントを使って、割合普段通り話すことが出来た。生涯学習のテーマとしては、人気のある海外旅行を取り上げたので、受け入れられ易いという利点があったと思う。
最後に講演のまとめとしてNPO顧問で、桜美林大学名誉教授・瀬沼克彰先生が総括された。15人の講演者のうち、5点法で満点の人は3人と話されたが、終了後瀬沼先生に挨拶した時、有難いことに私は3人のひとりに入っていると随分お褒めの言葉をいただいた。生々しい体験談と、危機一髪のハップニングについてジェスチャー入りで話したことを評価していただいたようである。8分間スピーチの直後に、「これは面白い」という好意的な囁きが聞こえたことと、栃木市の担当者から挨拶いただいたことなどで感触は良いと思っていたが、まずまずの評価にとりあえずホッとした。これから講師の話をいただければありがたい。
瀬沼先生は、最後に中々興味深いことを話された。それはわが国では生涯学習について積極的に学習行動を起こす人は実際には少なく、ほとんど顕在的学習関心と潜在的学習関心に留まっているという。それは、わが国では学習暦社会として学習した実践体験を評価するシステムが出来ていないからだと指摘された。日本では単位を得るとか、ライセンスを得るように形として残る学習体験でないと、仕事面で評価されない現状からまだ意欲的な学習志向者が少ないと述べられた。
それに、生涯学習に取り組む活動として、今後行政は人を減らし、場所の提供を減らし、企画、募集、運営の分野への関与は減るだろう。それを住民がボランティアとしてどれだけバックアップし、主体的に行動出来るかが今後の生涯学習の課題と言われた。