今朝のテレビ番組を観ていて有識者とされる人が案外事象の背後にある事情を知らないことに意外な感じを受けた。TBS「サンデーモーニング」で、準レギュラー・コメンテーターを務める田中優子・法政大教授である。著名な大学教授が成田空港開港の経緯を知らないのには、驚きを通り越して呆れたほどである。
尤も田中教授が初めて海外へ出たのが成田空港からだったそうだから、初期の国際空港としての羽田空港自体に関心が薄かったのかも知れないが、それにしてもお粗末なトーク内容だった。田中教授が、なぜ立地の良い羽田を棄ててまで成田へ国際空港を移したのかという、素朴と言えば素朴と言えるノー天気な発言には唖然とした。成田以前に三里塚や富里空港の話も出てすったもんだの末に、周辺住民の激しい反対の中で、敢えて成田空港開設の最終計画が固まったのは、その当時羽田拡張計画がどうしても不可能と判断されたからである。国際化時代を控え国際航空事業の需要が増大する中で、已むに已まれず少ない選択肢の中から苦渋の決断により決定したのが、成田空港開設計画だったのである。田中教授はどうもその辺りの事情に疎いようだ。
当時羽田が拡張出来なかったのは、新D滑走路の周辺は多くの漁民の生活権が絡み、加えて都心の騒音問題が顕在化したからである。今では漁民の生活権問題は無くなった。こんな当たり前の裏事情は、当時多少なりとも羽田問題に関心がある人なら誰でも知っている話だ。少し調べれば分ることを調べもせず、江戸時代文化・風俗の専門家かも知れないが、社会評論家のようにコメントを述べるのはいかがかと思う。近ごろの学生はあまり勉強しないと言うが、指導する教師も手を抜いて事前に調査すべきをしないのは、無責任な所業だと思う。
まったく視点は別だが、世の教師の中にはバカに百万倍もかけたような、「人間失格」教師がいるものだ。過日小学校の算数の応用問題で、1日に3人殺したら全員を殺すのに何日かかるか、と生徒に出題して周囲を仰天させた愚かな教師がいた。
今日の朝日新聞を見ると、また馬鹿な2人の教師の例が出ている。ひとりは、都内杉並区立小学校の23歳の女性教師で、とても3年生の子どもに出題するような問題ではない。「3姉妹の長女が自殺し、葬式があった。その葬式に来たカッコいい男性に次女がもう1度会うためにはどうすればよいか」という、まったく常識外れの不適切な問題を提起した。その答は「三女を殺す」というのが正解だったというのだから、呆れて開いた口が塞がらない。
もうひとりのアホ教師は、愛知県立商業高校の24歳の若い商業科の教師だった。同校3年生に「校長を暗殺した犯人は誰か?」という設問を与え、答の選択肢の中には7人の同校教師の実名が書かれていたという。校長が息を引き取る間際に残した数字、「41124」から犯人を捜すというクイズまがいの答だった。数字は横書きで、上下を逆さにすると「カていカ」と読めることから、「家庭科」の教師が「犯人」だったという。
もちろんすべての教師が悪いと言うのではない。だが、最近の教師の中には平気で常軌を逸した行動に走る異常教師が少なくない。教え子のスカートの盗撮行為を行ったり、セクハラ的スキャンダルを起こす教師も結構マス・メディアで報道される。こういう教師は性格異常者である可能性が高い。やはり入口のところで教育委員会がきちんと人物鑑定をしないと、いずれまた同じようなスキャンダルを引き起こす「人間失格」教師が出てくるに違いない。いい加減にしてもらいたい。