民主党の公約も大分怪しくなってきた。今度は企業献金を復活させるという。手元にある昨年の総選挙前に作成されたマニフェストを見ると、「イ」の一番に7つの「ムダづかいをなくすための政策」を掲げている。その中の大項目に「企業団体による献金、パーティ券購入を禁止します」と堂々と書いている。それにも拘わらず国民を騙して裏切り、但し書き付きながら企業献金を再開しようというのである。いかにも朝令暮改のチャンピォンである民主党らしいパフォーマンスではないか。まったくよくやってくれる。
この民主党という未熟な政党は、ない智恵を絞って言い訳を考え、修正文言をこじつけることを何とも思わない人たちの集まりである。今回癒着の恐れがあるとされる国や自治体との多額の契約が、仮に1件1億円未満なら、その企業などに限って献金を受け入れ、パーティ券を買ってもらうという虫のいい究極の悪知恵を考え出した。民主党はマニフェスト違反ではないというが、いかにも苦しい弁解である。
こういう政治とは関係のないところで姑息な手段で資金を得ることだけに頭を働かせて、本業では国民が期待するマニフェストを実行することに腰が引けている。
朝日新聞の今日の社説でも、今回の献金再開は後ろ向きであり、流れに逆行していると指摘している。さらに「小沢、鳩山の政治とカネの問題で、民主党は歴史的な政権交代に大きな傷をつけた。公約破りではないと言い張っても納得しない」と手厳しい。
結局マニフェストなんて恣意的にどうにでも解釈出来るとの思い上がった本心が透けて見える。それゆえに、マニフェストに盛られた世襲政治廃止とか、国会議員数削減、その他諸々の公約を訴えながら、一向に実際に実行しようとしない彼らの活動ぶりを見ていると、裏切られたような気持になり段々嫌になってくる。
まったく期待を裏切ってくれる民主党政権のごまかし政治の跋扈である。
現在国会開会中であるが、昨日から事業仕分け第3弾が始まった。スタートした当座は目新しさもあって、注目を集めたが今回はどうか。いままでの一般会計上の事業の仕分けではなく、伏魔殿である特別会計の仕分けである。今日の仕分けの中で、スーパー堤防整備事業が中止と決まった。他の事業と併せて総額13兆円だという。事業そのものは、今のまま事業を続けても今後300年とも400年とも時間がかかるといわれている。しかも、まだ全体の5%程度しか整備工事は進められていないという。
財政が逼迫している中で、どうしてこうも悠長で、ほとんどムダとも思える工事が進められているのだろうか。仕分け人が鋭い質問を繰り返して、あっさり廃止と決まった。こういう非現実的な予算の使い方があること自体異常である。これも「政治主導」を唱えている政治家が、「木を見て森を見ない」視野しか持っていないことと、真摯に政治を行っていないからである。