1265.2010年10月30日(土) わがもの顔の中国にどう対処したら良いか。

 昨夜遅くなってからベトナムのハノイからニュース速報が入った。予定されていた菅首相と温家宝首相の日中首脳会談が突然キャンセルされた。中国側の都合により、トップ会談が一方的に中止されたのである。経緯はともかく直前まで何とかお膳立てされていた首脳会談が一方の言い分だけで、いとも簡単に取り消されるという外交上の信義を欠く対応はまったく理解出来ない。中国政府の傲慢で外交儀礼に悖る行為は、別に今に始まったことではないが、それにしても無礼千万である。

 尖閣諸島事件が尾を引いているとはいえ、中国は日本の言動にいちいち過敏に反応し、自らことを荒立てていながら、責任はすべて日本側にあるという。中国、或いは中国人というのは、もう少し大人だと思っていたが、まるで駄々っ子と同じである。

 今回の首脳会談拒否の理由には、ひとつは一昨日ハワイで前原外相とアメリカのクリントン国務長官が会談して、改めてクリントン長官から尖閣諸島が安保条約の対象になることを確認させたことがある。2つ目に、ASEAN首脳会議前に前原外相が他国首脳との間で尖閣諸島問題を蒸し返したと中国が受け止めたことである。さらにAFP通信の「東シナ海ガス田開発の条件交渉再開で日中両政府が合意」と伝えたが、これは事実と異なると中国側が憤然としたことも大きな理由である。

 だが、こんなことはニュースソースに照会・確認すれば簡単に分ることで、こんなガセネタに近い情報を確認もせず、恣意的に外交相手国に腹いせをされては迷惑千万である。日本政府は直ちにAFPに事実関係について抗議した。

 今の中国に対しては何を言っても誤解されるだけで、相互の歩み寄りはあまり期待出来ないのではないか。しばらく放っておくより仕方あるまい。中国のピリピリした心情から、ひょっとすると横浜で来月開催されるAPEC首脳会議に出席を予定されている、胡錦祷・国家主席の訪日もキャンセルされる可能性もないわけではない。仮にそうなったら世界中から信頼を失うのは中国自身であることを中国は自覚すべきである。

 1981年に初めて広州以外の中国主要都市へ行った当時の懐かしい写真を見てみた。北京、洛陽、上海、杭州のどこの市街を見ても、市民はほとんどが人民帽を被り人民服を着て壁新聞を見ていた。街には車がまだほとんど見られず自転車が多かった。人々も人懐っこくいつもはにかむように笑っていた。とてもフレンドリーで印象が良かったとのイメージが強い。あれからほぼ30年が経ち、この間の大きなギャップにはどうもついていけそうもない。残念である。

2010年10月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com