1286.2010年11月20日(土) 「スマイル会」結団25年を前に解団

 1986年11月に茨城県海外教育視察団にお供して、当時の西ドイツ・アウグスブルグとフランスのエブリーで学校訪問をしてから、すでに24年が経過した。その後ほぼ毎年の如く同窓会を行ってきたが、参加された先生方もかなり退職された。幸いどなたも亡くなられてはいないが、今年が最後の同窓会と相成った。24回目同窓会の思い出は尽きない。万難を排する気持で参加した。

 今回その視察団「スマイル会」の最後の同窓会は、大洗海岸を目前にする鴎松亭で開催された。そもそもユニークな会の名前は、添乗員だった私が、旅行中学校訪問だけに限らず、常々「スマイル!」「スマイル!」と笑顔を湛えることを連発、強要していたことから、帰ってから「スマイル会」と名づけられたものである。

 当初は車で出かけるつもりだったが、大洗には水戸から牧歌的な鹿島臨港鉄道が運行されていると聞いたので、滅多に乗るチャンスがないと思い、試験搭乗さながらに電車で出かけることにした。JR常磐線・水戸駅で特急「スーパーひたち」から単線の単車輌に乗り換えた。車窓から見る沿線風景は稲穂も刈り取られ、まさに晩秋の田園風景である。人家はあまり見られず、これではあまり収益が上がらないのではないかと余計な心配をする。ほのぼのとした風情がいい。

 ところが座席の前の方から、揚げ物の匂いが漂ってくる。ところどころでポテトチップスや、ポテトフライをつまみ食いしている乗客がいる。それが車内にぷ~んと匂ってくるのだ。乗客の様態を見ているとつまみ食い、携帯メール、居眠り、おしゃべりに分けられるようだ。そんな短い旅の中15分で大洗駅に到着した。この駅舎内にはこの鉄道会社の本社がある。ここからタクシーで鴎松亭まで10分。

 大洗と言えば、旧大洗荘の早稲田大野球部OBの石井藤吉郎氏が有名人であるが、聞いてみるととっくの昔に亡くなられたと、タクシーの運転手がそんなことも知らないのかと言わんばかりの口の利き方だった。

 団員は私を別にして25名であるが、「最後のスマイル会」が効いたのか、万障繰り合わせて出席して欠席者は僅か6名だった。石橋喜代雄団長の挨拶に続いて、出席者全員が近況報告をされたが、懐かしい顔が見られる。この視察団では、ロンドン滞在中にホテルの火災騒ぎがあり、朝方になって全員が部屋から逃げる騒ぎがあったが、その当時の情景を説明される先生がおられて、改めてこの「スマイル会」が、火事現場に出遭わせたのだと再認識した。

 この団のまとまりが良いのは、やはり石橋団長のお人柄と統率力が秀でているからである。近況を伺っていると淀川ゆき先生のように、現在女性として初めて牛久市教育長の職を務めておられる先生もおられるし、来年定年を迎えられる3人の先生はそれぞれ小中学校長として勤めておられる。他にも公民館や生涯学習センターで活動しておられる先生も4人おられる。皆さんそれぞれ元気に地域で活躍されている。団結成以来24年となったが、まだ物故者がいないこういう時期に解団して、当時を偲ぶのが良いのではないかという考えで未練はあるが今回が最終回となった。

 走馬灯のように想いは駆け巡る。若い時代の感傷である。

 部屋に引き上げてから、お声がかかり別室で2次会を12時半まで続けていた。みんな口では解団もやむを得ないと言っていたが、実は別れがたいのである。窓の外は打ち寄せる太平洋の波に月光である。ついセンチメンタルな気持になる。

2010年11月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com