1638.2011年11月7日(月) 消費税値上げの首相発言はどうなったのか?

 G20首脳会議に出席していた野田佳彦首相が帰国して、早速長崎市内の故西岡武夫・参議院議長の自宅を弔問した。これから野田首相の前途には難問が待ち構えている。自ら蒔いた難問のひとつは、カンヌ滞在中に2010年代半ばには消費税を10%に引き上げるという唐突な発表だった。民主党内閣は党内に賛否の対立構図が山積である。消費税引き上げしかり、今紛糾しているTPP参加問題もまたしかり、年金の一元化改革もしかりである。
 その消費税値上げはどうなるのか、鵜の目鷹の目で注視されている。一部には歳入不足を補うためにその必要が叫ばれていた。また、以前からIMFも日本政府に消費税値上げをすべきと勧告していた。ところが、民主党は総選挙の時から消費税値上げについては逃げていた。実力者である小沢一郎元代表は値上げに反対している。こんな党内事情もあり、党としての統一見解を毅然として示すことができなかった。それがここへ来て突然値上げ公表である。それなら外国で一方的に発表する前に、国会なり、国民にきちんと説明すべきではないか。もう少し順序立ったスケジュールの下に計画を進め、党内で話し合って民主党として考えをまとめることができないものだろうか。その辺りがこの民主党の未熟なところである。
 これから消費税値上げに向けて、どのようにロードマップを作り上げていくのだろうか。今日もマス・メディアはまったくこの問題を報じていない。マス・メディアにとっても報道する価値のあるトピックだと思うが、先日現地から流れてきたニュースだけしか伝えられていない有様は異常としか言いようがない。それにしても野田首相の手法はまったく理解できない。何が「安全運転内閣」だ?
 民主党はこの先この消費税値上げ問題をじっくり検討し、党内がまとまって結論を出すことができるだろうか。国民としてはやや不安である。これからどういう道筋を辿っていくのか、もう少し消費税値上げの工程について分りやすく説明してほしいものである。

2011年11月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com