地球温暖化防止のための具体的な対策として「COP17」が南アフリカのダーバンで開催されていたが、すったもんだの末漸く合意し閉幕した。このCOP17というのがよく分らない。一昨年にはCOP15をコペンハーゲンで開催された。
そのCOP17とは、正式には「気候変動枠組み条約締約国会議」と呼ぶのだそうで、この日本語の意味も専門家ならともかく一般人にはとんと見当もつかない。
今回会議開催の理念としては、これ以上温暖化の原因である二酸化炭素の排出を各国が共通して抑えようというのだから、未来社会のために協力のルール作りをすべきなのに、各国のわがままや思惑が噴出し、共通のルール作りができない有様である。今回の会議も協定書について参加国から合意が得られず、1日延長して何とか不完全な合意を取り付けたに過ぎない。
だが、それも紳士協定みたいなものだから、全参加国がその気にならなければ正に砂上の楼閣である。
当面の懸案事項は、京都議定書の温室効果ガス削減義務を、期限が切れる2012年末から2013年以降へ延長し、新たにすべての国が参加する体制を作ることである。妥協のうえに妥協を重ねて何とか表面的に取り繕って「ダーバン合意」は採択されたのである。
しかもこれには、今後相当な努力が積み重ねられないと実質的な効果はほとんど期待できない。そもそもの誤算は京都議定書自体、排出ガス量の1位中国が削減対象国から外れていることであり、排出ガス量2位のアメリカも条約を批准しないことであり、実行できるかどうか、が疑問視されていた。
いずれにしても2020年には、すべての国が参加することを前提に長い道を歩むことになった。その過程で、中国とアメリカの自己本位な態度に痺れを切らした日本、カナダ、ロシアは2013年からCOPから離脱することになった。
それにしても、国際条約でありながら、各国に建設的な協力の姿勢が見られず、これだけ大規模な会議であるにも拘わらず、実りの少ない、実にお粗末な会議だった。こんな調子で果たして今後地球温暖化を防止することができるのだろうか。