3222.2016年3月9日(水) 皇室典範が女性差別?

 昨日取り上げた国連女子差別撤廃委員会(CEDAW)が日本に対して提示した見解は、日本人の理解や観念からすれば、首を傾げる内容がかなりあった。その中で委員会はこんなことも勧告し、事前に日本政府がクレームをつけて何とか撤回させた一項もあった。

 それは最終見解案に、男系男子による皇位継承は女性差別に当たるとして、皇室典範の見直しが盛り込まれていたことである。国連の一組織として影響力が強い委員会が、誤解も含めてどうしてこのように無秩序で不正確な知識や情報だけを拠りどころに、拙速に長年国家が延々と継続し、その国民により受け入れられている制度を大上段から糾弾しようとするのか理解に苦しむ。

 確かにヨーロッパの王室などでは、女性が王位に就くことを認めている。だが、それは国民の間で長い伝統の中で自然に根付いた制度である。わが国の皇室典範も男子が皇位を継承するというのは、庶民の家長制度など日本的な風習などがその根っこにあり、決して女性蔑視から生まれたものではない。

 今回は、日本政府が直ちに手続き上問題があるとして公式に反論したため、皇室典範の見直しは最終見解から削除された。それでも当初は、委員会の見解案は2月に行われた日本に対する審査会では皇室典範が議題にならなかったことから、日本政府が審査で議論されていない内容を最終見解に盛り込むのは、手続き上問題があると抗議して委員会は最終的に皇室典範に関する記述を削除したという。委員会は必ずしも納得したうえで皇室典範が女性差別であるとの見解を撤回したわけではない。

 しかし、日本を取り巻く環境は、例え長年定着した文化面であれ、伝統面であれ、このようにだんだん風当りは厳しくなっている。現実にいま国連では、この他にも子どもの人身売買、児童売春、ポルノなどの他にJK(女子高校生)ビジネスについても不正確で不十分な報告を基に、国連人権理事会に勧告書が提出されている。これらの日本に対する曲解や誤解などに、今後どのように対処していくべきだろうか。

2016年3月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com