先週来気になっていたギリシャの総選挙の結果がもたらずヨーロッパ経済の不安は、行き着くところまで行ってしまったかの感がある。韓国や香港などのアジア株が今年最大の下げ幅を記録し、日経平均株価も8801円を記録して3ヶ月半ぶりの安値となった。
問題はヨーロッパ経済が今後まだ不安材料を抱えていることである。発火点となったギリシャがどうなるか、また他のEU諸国がギリシャに対してどう接するのかはっきりしないことである。
ギリシャでは、過半数を取った政党がなく連立与党政権を確立すべく、政党間の話し合いが持たれたが、結局まとまらず、ついに再選挙という最悪の選択肢を取ることになった。ギリシャではユーロ圏からの離脱まで話題に上っているが、これが究極の選択肢だとするとヨーロッパ経済の不透明感は益々強くなる。仮にユーロ通貨から元の通貨ドラクマへ戻ったとすると、その価値は急落することが懸念される。ドルはギリシャから逃れギリシャ経済が破綻に追い込まれることは目に見えている。
賢人を輩出したギリシャに対して、他のEU諸国が賢明な知恵を提供することはできぬものだろうか。
さて、プロ野球も花盛りであるが、昨年に比べて観客動員数は下がっている。あの手この手でファン・サービスを心掛け、われわれの少年時代に比べて遥かに良くなったと思う。しかし、それでも見せかけのサービスと本物のサービスにちょっと思い違いがあるような気もする。その中で昨日から始まったアメリカ大リーグに倣ったセ・パ交流試合なぞは、割合評判が良い方である。それでもプロ野球人気は年々低落傾向にある。
そのプロ野球のセパ交流戦を前にして、先日落合博満・前中日監督がテレビで面白いことを言っていた。
ひとつは、指名打者制度の活用方法で、パ・リーグと違ってペナントレースでその制度がないセ・リーグのチームにとっては明らかに不利だと言っていた。その理由として、指名打者を組み込んだクリーン・アップ打線をシーズン前に固めることができるパ・リーグと、交流戦のためだけに俄仕立てのクリーン・アップ打線を組むセ・リーグの差だという。前者の方が遥かに強力な打線となる。
もうひとつに見方は、勝負に拘ることは当然だが、あくまでペナントレースの優勝を狙っているので、例え別リーグのチームに負けても、同じリーグのチームが負ければあまり気にならないと言ったことである。もうすでに真剣勝負ではなくなっているのだ。見かけはファンに面白い試合を提供しているように見えても、チームとしては他チームの勝負の展開次第では、駆け引きがあると述べたことである。流石に百戦錬磨の勝負師は鋭いと感じた。同時にプロ野球界は大丈夫かなとちょっと心配にもなった。