いま日中韓の間で問題となりそうな案件がある。それは韓国が近々沿岸から200海里の排他的経済水域(EEZ)を超えて自国の大陸棚を南方に拡大する申請書を提出すると公表したからである。当然海底の資源開発が狙いである。こういう問題ではいつも渦中にいる駄々っ子・中国が黙っているわけがない。中国に合わせて、日本も異議を唱えると予想されている。
地球上の資源開発は、今では自国領土内のみならず、各国が自国領土外でありとあらゆる手練手管を尽くして覇権主義にしのぎを削っている。現在わが国周辺で起きている領土紛争もその例外ではない。北方領土、竹島、尖閣諸島、その他にも東シナ海の中国とフィリピン、南シナ海の中国とベトナムの争いが急速にエスカレートしている。
限られた資源を各国が奪い合っている様子は徐々に常軌を逸してきている。自国内で新しい資源を開発、発掘できればそれに超したことはないが、わが国には戦後一時期の石炭を除けば、自然エネルギー資源開発の可能性はほとんどなく、他の資源の開発はこれまであまり期待されていなかった。
ところがである。今日の朝日夕刊トップ記事に「秋田にシェールオイル・国内初、試験生産へ」と書かれているではないか。探せばあるのだ。このシェールオイルは、採掘が難しいとされているが、現在アメリカとカナダで良質のものが生産されている。秋田県内で採掘されるシェールオイルも良質とされ、生産が始まれば自給率が高まる。1ヶ所だけではなく、周辺地域でも開発されれば、最大で1億バレルの採掘が期待できるという。これは国内の年間石油消費量の1割弱に当たる規模である。
この他にも、朗報として先月末レアアースを大量に含む可能性が高い泥が、小笠原諸島・南鳥島周辺の海底で発見されたというニュースも目にした。
レアアースは電気自動車などのハイテク製品の部品に必要な物質で、現在では全生産量の9割強を中国が生産しているが、その中国が輸出を規制して日本、欧米が世界貿易機構(WTO)に提訴している、いわくつきの地下資源である。ほとんど中国以外では生産されないと考えられていただけに、日本の排他的経済水域(EEZ)で発見された宝物に対して、経産省も海底調査に大いに乗り気である。
因みにその埋蔵量は現状の国内需要の200年分以上だというから驚く。こんな秘宝が探せばあるということの方がより興味深い。これだから、どこの国も領土拡張に血眼になるわけである。幸いにして、この水域は中国からかなり遠いので、さすがの覇権国家・中国も手を出すことはできないだろう。