この数日急ピッチで法律の成立を目指していた高市政権が、昨日2つの法案を参院本会議で可決成立させた。
ひとつは、改正皇室典範法である。改定は1947年の制定以降初めてである。この最大のポイントは、男子の天皇後継者が見当たらなかった数十年前から時折話題となっていた。むしろ佐藤栄作、小泉純一郎首相らは女性天皇を容認すると語っていたが、秋篠宮家に悠仁さまが誕生されてからその声はいつの間にか消え去った。今改めて女性天皇を認めるかどうかが、取り沙汰されるようになったのには、天皇・皇后のご息女である愛子さまが女性天皇になられても問題はないので、男女差別のない制度にした方が良いとの考えが芽生えたからであろう。本来は女性天皇制が本題だった。だが、成立した法案では、女性天皇に関する表記はなく、①女性皇族が結婚後も皇族の身分を保つ、②旧宮家の男系男子を養子として皇族に迎える、の2点だけだった。結局女性天皇に関する条項は法案に何も記されていなかった。
そもそも同法は、国会議員の総意によって改定することを約束していながら、衆参両院の議長、副議長ら一部の役員によって骨子が決められ、それを各党が総意として認めさせられたものである。従って本会議採決では、自民、日本維新、国民民主、公明、参政の5党は賛成したが、立憲民主、共産、れいわ、沖縄の風、社民の5党は反対したくらいで、全会一致とはならなかった。この改正皇室典範法の内容については、早くもグテーレス国連議長が「女性権利向上の政策を奨励する」と見解を公表している。これほど男女差別のない女性天皇制を世界も期待しているのである。
2つ目の可決法案は、国旗損壊処罰法と刑事裁判をやり直す再審制度見直しのための改正刑事訴訟法である。前者は、どこまで国旗「日の丸」を傷つけた場合に刑を課せられるのか微妙であるが、これまでもあまり公に問題になった例は少ない。ただ、憲法学者ら専門家が、「公然と国旗を損壊」した場合に刑を課するのは違憲の疑いが濃いと判断、また立憲議員が、憲法史上、初めて政府批判を禁止する法律と断じた問題点の多い法律の成立となった。
これらの法案成立に関しては、高市政権の「公約だけで何もしない政権」との陰の声があることが大きく影響しているようだ。
残る法案として、「食料品消費減税」、「衆議院議員削減」法案、そして首相の本心としては同調し兼ねる日本維新の会が議員立法によって成立を期した「副都心構想」がある。いずれも問題点があまりにも多すぎる。これらの成案のための昨日国会閉会の予定だったが、25日まで8日間の延長を決定したことによって法案成立を図っている。
今後懸案の法案を成立させることが出来るのか、またこれから新しい法律を成案し実施することが出来るのか、高市首相のお手並み拝見というところだろうか。