今日午後6時から高市早苗首相の記者会見があり、すでにメディアで予想されていた通り衆議院解散について決断したと述べた。来る23日の通常国会の冒頭に正式に解散する。NHKと民間TV各局が一斉にこの記者会見を生中継したので、皆同じような放映画像だった。冒頭に首相は、なぜ年度末が迫ったこの時期にこの重要な決断をしたのかという点について、自分が日本の総理大臣として適っているかどうかについて主権者である国民の判断を仰ぎたいということだった。大意は3つだった。ひとつは、政治の安定を図るために解散する必要があり、これにより重要な政策を迅速に実行できる。2つ目は、衆院選で与党が過半数を得ることで、国民の支持をバックに国会運営を主導できる。3つ目は、早く政権基盤を安定させて、経済政策や外交、安全保障を大胆に推進できる。以上3点に要約される。
27日に公示して、投票日は2月8日(日)であるが、この時期に総選挙が行われることは珍しい。来年度の予算案作成もあるし、季節的に豪雪地帯の有権者にとっては投票所へ行くのが大変な地域も多い。特に、今冬は豪雪地帯が目立つだけに投票率がどうなるか。首相は、会見の中で、自民党が一番厳しく追及されている政治資金パーティの裏金問題については、一言も語らなかった。その代わりに日本維新の会との連立合意でもある飲食料品の消費税を2年間中止すると述べた。だが、その原資はどうするのか、また2年後に消費税を復活させた場合の国民の不安、不満、落胆などをどう裁くのか。
高市首相の一番気がかりな点は、アメリカ向きであることだ。就任直後に来日したトランプ大統領と横須賀米海軍基地内の軍艦上で、米海軍兵の中に交じり、隣のトランプ氏と並んで飛び上がって喜んでいたポーズは、あまりにも子どもっぽく感じの好いものではなかった。今トランプの破滅的な言動に対して、ヨーロッパ諸国が批判し、イランやグリーンランドには余計なちょっかいを出そうとしている。その行為に何の忠告も批判もしない。ひたすらアメリカのご機嫌取りで、防衛費を増額することだけを実行している。大丈夫だろうか。心配である。
さて、最も好きな国のひとつであるミヤンマーで現在3回に分けて行われている国軍による作為的な総選挙も、すでに2回を終えた段階で予想通り国軍系の議員が過半数に達した。4年前に国軍のクーデターによって当時アウンサンスーチー氏率いる国民民主連盟(NLD)を倒し、スーチー氏を拘束した挙句に、翌2023年にはNLDを解党に追い込んだ。前回の総選挙で圧倒的な勝利を収めたスーチー氏の消息も現在不明である。不平や反対を唱える勢力を弾圧して一掃し、軍部は独裁的に国を支配している。現在行われている総選挙も、政敵を徹底的に排除して実施されたので、議会が国軍系議員に占められるのは、予想されたことである。現状のままでは、あまりにも民主主義国家とはかけ離れ過ぎている。
まだ最後の3回目の投票が残されているが、結果は明白である。2回目の結果が判明した15日に、日本政府は、国民の更なる分断を招くとして、ミヤンマー情勢に懸念を表明した。反民主的な政治について、日本政府が懸念を示すのは珍しい。それなら、現在のトランプ政権の暴れ馬的言動に一言あっても良いと思う。アメリカに対しては、言いたいことも言わず、ミヤンマーのような途上国に対してはずばりと言う、二枚舌外交も多くの国から見透かされるのではないだろうか。