6791.2025年12月16日(火) パンダが日本からいなくなる。

 上野動物園にいるジャイアントパンダのシャオシャオとレイレイが、来年1月に中国へ返還されることが決まり、その後日本にはパンダがいなくなる。上野の街では失望感が強い。今日上野動物園には大勢のお客さんがパンダを一目見ようと訪れたが、長い行列に待ち時間も相当かかったようだ。大人から子どもまで多くの人々に愛されていたパンダがいなくなることに、寂しいとか悲しいとの声が伝わって来る。パンダは中国だけにしかいない愛らしくも、絶滅危惧種動物だけに、欲しいから「はいどうぞ」と右から左へ譲れるものではないが、大好きな人にはぜひとも傍にいて欲しい愛らしい動物である。

 外国にいるパンダもすべて中国からの借り物である。愛らしく、それでいて希少動物だけに各国から中国へ譲れないが期限付きで貸してほしいとの要望が絶えず、日本もこれまで中国から30頭以上が貸与された。

 1972年日中国交正常化に伴い、中国政府から貸与されたカンカンとランランが初めて上野動物園にやって来て人気が沸騰し、観覧しようにも制約付きでやっとパンダを見られるような有様だった。現在中国は17カ国に53頭のパンダを貸与しているが、各国からの引き合いも強く、中国政府はパンダ貸与を利用して「パンダ外交」を試行している。最近訪中したフランスのマクロン大統領が、フランスへの接近を図る中国の思惑により、2頭のパンダを貸与されることになった。一方で昨年フィンランドの動物園は期限よりも8年以上早くパンダ2頭を中国に返還した。その背景には両国の緊張関係があると伝えられており、現在台湾有事問題から中国との外交関係が悪化した高市政権の日本とは、このまま対立関係が続くようだと当分パンダを見たい人は、中国の動物園を訪れて鑑賞するしか方法はない。そういえば、私がパンダを見たのは1回きりであるが、それは1971年に初めて上海を訪れた際上海動物園で見た時だった。

 愛されるパンダが日本にいることは望ましいことではあるが、それより「パンダ外交」などに惑わされることなく、現在の対立状態を何とか以前のような国交正常化状態に戻す努力をしてもらいたいものである。

 今の高市首相の右翼志向には、以前から不安に駆られていた。それが台湾有事発言となったが、似たようなもっと危機感を伴った事態が起きる危険性を抱えている。さりとて首相を取り巻く閣僚陣の中に首相を諫めるような人物はいそうもない。

 他方、中国政府の非民主化政策は、益々強圧性が増長され、2019年に香港で起きた反政府デモを香港国家安全維持法(国安法)施行により力づくで香港市民を屈服させ、21年には選挙制度を改変し、立候補予定者には政府に忠誠を誓う「愛国者」であるかどうかを求める有様だった。先ごろ香港で中国国内唯一の選挙が実施されたが、当選者は当然全員「愛国者」ばかりだった。

 そこへ昨日長らく香港の民主化をリードしていた「リンゴ日報」創業者・黎智英氏を国安法違反で有罪判決(量刑未定)を下した。今年78歳の黎智英氏の健康が優れず、欧米の政府は早期釈放を望んでいた。昨日の有罪判決を知ったトランプ大統領ですら、中国政府に不満を述べている。選挙の結果を受けて香港では、前途を悲観したのか、民主派主要政党である民主党が党の解散を決めた。これによって中国政府は、一層非民主化の道を突き進み、それが高市政権との衝突事態を引き起こさないかという懸念である。

 怖いのは、人の意見を一切受け入れず、唯我独尊ですべての権力を行使する独裁国家体制であり、習近平中国は、その道をひた走り、中国国民は揃って習近平の顔色を覗っている状態である。

 昨日こともあろうに国連安保理事会で、中国の国連大使が議論のテーマとは場違いな日本批判をぶったそうである。国力はついてもいつまでも中国は子どもだなぁと慨嘆せざるを得ない。

2025年12月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com