このところ連日のように、イスラエル空軍がパレスチナ自治区ガザ地区を空爆して破壊していたが、遂に陸軍が地上作戦でガザ地区住民を排除し始めた。何とか停戦へ持ち込もうとして交渉を始めていたカタールをもイスラエル空軍は空爆した。これには国連のグテーレス事務総長も厳しく非難している。
間もなくイスラエル軍がパレスチナ自治区ガザ地区へ激しい空爆を仕掛けてから2年になろうとしている。この間ガザ地区では6万5千人の死者が出た。ガザ市の全人口約百万人の内、35万人が避難した。昨日国連人権理事会は、イスラエルがパレスチナ人に対するジェノサイド(集団殺害)とする報告書を発表し、これにまたイスラエルが激しく反発している。そして、ガザ地区の最大都市ガザ市を制圧するために地上作戦を開始した。この地上作戦によって住民の犠牲がさらに増えることが懸念される。この新たなイスラエルの作戦には、各国から非難が相次いでいる。だが、いつもイスラエルの後ろ盾となっているアメリカのトランプ大統領が、イスラエル軍を非難することなく、「ハマスが自らを守るためにイスラエル人人質を盾にするのであれば、地獄を見ることになる」と相も変わらずイスラエル贔屓の姿勢を語っている。この人は、正邪の区別が分からないようだ。
先日講演会で話した内容の一部にイスラエル人、ユダヤ人の気持ちは現地で彼らから本音を聞かなければ分からないという話をした。特にイスラエルを訪れた時、現地の人びとと話していて、イスラエルの地形的な環境が、彼らの気持ちを追い詰めているのだということを臨場感から感じた。この辺りの空気を日本のメディアは伝えてくれない。イスラエルの地勢は、西の地中海を除いて北東南はすべてアラブの国々に囲まれ、アラブによって押し込められたような閉塞感が強く、いつ彼らに母国が襲われるか分からない気持ちを理解することが必要だと述べた。但し、それは現状のイスラエル軍の気持ちや攻撃を理解することではなく、そういう現状であるということを多くの人に知ってもらいたいのだ。ユダヤ人の気持ちは分かるにせよ、現状の徹底的に抵抗力のないガザ住民をこれでもかこれでもかと攻撃し続けることは、彼らの救いとはならないし、非人道的な行為によりガザの住民を痛みつけていることを彼らも理解しなければいけない。
しかし、いつになったらこの混乱に決着がつくのだろうか。先行きは暗い。
さて、一昨日夜の世界陸上東京大会の棒高跳び決勝をテレビで夢中になって観ていた。スウェーデンのデュプランティス選手が、自身の持つ世界記録を更新する6m30cmで大会3連覇の偉業を成し遂げた。中学生のころラジオで聞いたヘルシンキ・オリンピックの金メダリストの記録は、4m55㎝だった。これほど記録に差がついたのは、棒高跳びくらいのものだろう。当時の選手は竹のポールを使用していたが、現在の選手はポールにバネがあるグラスファイバー製を使用しているので、以前の選手に比べれば有利であることは間違いない。それでも一昨日の世界記録が生まれた瞬間をテレビとは言え、観られたのはラッキーだった。