6683.2025年8月30日(土) トランプ大統領、前例のない平和破戒行為

 昨日の本欄で皮肉を交えてアメリカのトランプ大統領の独りよがりの言動について批判的なコメントを書いた。するとタイミング良くアメリカの連邦控訴裁判所が、トランプ大統領が各国からの輸入品に課した「相互関税」は違法だとする判決を下した。これは5月に違法と断定した一審判決を支持することにもなる。流石にトランプおじさんも面子をつぶされたような気持ちに陥っているのではないだろうか。

 これは、各国への相互関税の他に、合成麻薬のアメリカへの流入を問題視して、中国、カナダ、メキシコへ課した国別関税の違法性も対象にしている。トランプ氏の主張の根拠は、「異常、且つ極めて深刻な脅威」にアメリカが晒された場合、輸入の規制を大統領として権限を行使するものということだった。

 ただ、一審と同様に、世界中を広く揺さぶっているトランプ関税の正当性に疑問を投げたことは事実である。だが、トランプ大統領は超然として最高裁に上訴すると広言している。

 更にどう見ても賛同しかねるのは、トランプ大統領が対外援助の予算撤回を通知したことである。これはすでに議会が承認していた49億㌦(7,200余億円)を拒否するというものである。アメリカ国際開発庁(USAID)の開発援助、32億㌦を主に、ユネスコの分担金5億2千万㌦、国連平和維持活動分担金3億9千万㌦が含まれている。大統領の権限で、議会がすでに承認した支出を撤回するのはこの50年間で初めてだそうである。トランプ大統領は、「アメリカ第一主義」の優先事項に反する支出は取り消すと主張しているようだが、世界の貧民がトランプ氏によって生命を絶たれることも考えられる。

 そんなトランプ大統領に対して浴びせられた冷たい空気に仕返しをしようと考えるだろうと詮索していた今日、トランプ政権はパレスチナ自治政府のアッバス議長、及び他のパレスチナ当局者80人に対して、アメリカへの入国ビザを発給しない方針を明らかにした。これでパレスチナ代表団は国を代表して9月23日開催の国連総会への出席が事実上不可能になった。

 国連本部協定によれば、アメリカは国連関連行事に出席する各国高官にビザを発給する義務がある。イランのように敵対的関係にある国に対しても、これまでビザ発給を拒否した例はない。これは、フランス、カナダ、イギリスなどが、9月の国連総会で、すでにパレスチナ国家を承認する方針を明らかにしており、それに反対するアメリカなりのデモンストレーションではないかと思われる。どうも世界情勢は、徐々に難しい状態に置かれるようになったようだ。

 さて、8月が終わりに近づいた今日も全国的に暑い。東日本、及び西日本の広い範囲で高気圧に覆われ、各地に40℃超えが記録され、気象庁は熱中症警戒アラームを発している。今日40℃を超えた地区は4地区で、三重県桑名市40.5℃、埼玉県鳩山町40.3℃、静岡県浜松市、及び埼玉県熊谷市40.2℃だった。東京都心も38.5℃と言う今年最高の猛暑日となった。

2025年8月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com