6678.2025年8月25日(月) 「つくばエキスプレス」、開業20周年

 早いもので「つくばエクスプレス(TX)」が開業して、昨日20周年を迎えた。学園都市・つくば市と東京・秋葉原駅を結ぶ全長58.3㎞の鉄道である。東海道線に例えれば、東京駅から平塚駅(58.8㎞)までとほぼ同じ距離で、それほど長い距離ではない。実は、昨年11月に亡くなられた須田寛・元JR東海顧問のお世話で開業前に1度試乗させてもらったことがある。手元に保存している秋葉原駅発11:00/1号車の試乗券をよく見てみると、試乗日時は、平成17年7月27日(水)で、正式に運行される約1カ月前のことである。切符には「受付時間10:00~10:30に試乗駅の改札口に集合して下さい」と書かれ、裏面には「鉄道・運輸機構東京支社」及び「首都圏新都市鉄道株式会社」と関連の運行会社名が記載されている。車両はすべてロングシートだったので、座席番号は記入されていない。これを見るとあの頃の沿線風景まで懐かしく想い出されてくる。この鉄道は、東京、茨城、埼玉、千葉の1都3県などから出資を受けた第3セクターの「首都圏新都市鉄道㈱」によって運行されている。これは茨城県つくば市から東京都心への通勤が至難だった時代に、主に通勤者用に開業された鉄道だったと言っても好い。

 この20年間に利用客は着実に増え、マンションや商業施設などの開発も進み、都心へ通うサラリーマンが茨城県内へ移住して沿線各都市の人口は軒並みに増加した。TXは、今や東京近郊の大学となった筑波大学への学生たちにとっても大変便利で、つくば市内に下宿せずとも都内から通学出来るという。

 かつて20余年に亘って旧文部省の教員海外研修団のお世話をしていたころは、毎年のように筑波研修センター?に泊まり込みながら研修を続けていたが、当時は交通の便があまり良いとは思えず、いつも同僚の車に相乗りして出かけたものである。

 そのつくば市では、今秋葉原駅から東京駅までの延伸計画実現の要望が強まっている。TXによる都心への通勤客が増加するにつれて、折角秋葉原まで運んでくれるのに、JRでほんの2駅先の東京駅へ乗り入れていない。ここさえ繋がれば、利便性が一層高まると沿線住民から期待され、近年沿線11市区で延伸を求める期成同盟会が発足した。ただ、その前にハードルがある。第3セクターであるTXは、事業開始に際して周辺自治体から相当額の出資を受けて、2047年度までに約4千億円もの返済義務があり、これらの問題をどうクリアするかという点が悩ましいところである。

 ついては、これとは別であるが、宇都宮市内を走行している路面電車「宇都宮ライトレール」も、明日開業2周年を迎える。鉄道は施設建設に巨大な投資が必要で、利用客が少なくなると赤字路線に落ち込み、いずれ廃業の宿命を負わされる。その意味でも新たな鉄道事業が開業されるというのは中々難しいが、地元住民の根強い要望である。幸いにも宇都宮ライトレールの場合は年間約5百万人の利用客があり、経営的に何とかいけるようだ。地味な産業だが、こういう地域に密着して地元民に貢献出来る鉄道が、地方都市で普及するのは素晴らしいことだと思う。

2025年8月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com