石破首相はこのところ外交でご多忙のようである。昨日まで横浜で3日間に亘り第9回アフリカ開発会議(TICAD)を開催して議長役を務めた。これは日本政府が主導して国連、国連開発計画、世界銀行及びアフリカ連合委員会と共同で開催したものである。
そして、昨日は来日した韓国の李在明大統領と初めて首脳会談を行った。日韓外交関係は、これまでどこか軋んでいた。それは戦前日本が韓国を植民地化したことに対して、韓国が北朝鮮と別れても戦後ずっと反日的行動を取っていたことでも明白である。特に15代文在寅大統領までは、反日的言動が目についていた。漸く日本に対して心を開くようになったのは、先般辞めた尹錫悦16代大統領になってからである。選挙では、尹前大統領の後継者が反日政治家であると予想され日韓関係が懸念されていて、そのひとり李在明大統領の言動が警戒されていたが、実際李大統領が選任されると、日韓関係の重要性を訴え、石破首相との会談に際しても日本にとって厳しい指摘は行っていない。むしろ両国関係を未来志向で安定的に発展させていくことを訴え、石破首相とその点で考えを同じくした。韓国の大統領が就任後に2国間会議のための最初の外遊先として日本を選んだのは、1965年の日韓国交正常化以来初めてのことである。2人の首脳会談は2時間を費やした。日本訪問を終えた李大統領は今日アメリカへ発った。今後首脳による相互訪問、俗にいう「シャトル外交」を定着させ経済や人的交流などをあらゆる分野で協力を進め、日韓関係を一層強化させる意向である。
実は、日韓両国は今同じような問題に取り組んでいる。それは人口減少である。日韓両国ともに人口が減り始めて大分経つ。それは日本以上に韓国で深刻である。その原因のひとつとして、韓国内の首都ソウルへの超一極集中現象があるのではないかと考えている。例えば、人口は日本の半分弱であるが、その人口の内首都圏への集中度が普通ではない。東京への人口集中も進んでいるが、それでもソウルの51%に比べれば、まだ30%程度である。ソウルの51%は、世界でも異例と言われている。
中でも人口減少最大の原因である出生率が、1970年から2023年までの間に日本は2.13から1.20に低下したが、韓国ではそれを遥かに上回るスピードで減少している。4.53が僅か0.72まで落ちたのである。それに伴い、2025年⇒2070年の高齢化率予想も日本が、29.6%⇒38.7%であるのに対して、韓国のそれは20.3%⇒47.5%に跳ね上がっている。
日本も韓国ほどではないにせよ、同じ問題を抱えていることでもあり、政治問題に関わらず、一般社会の問題を日韓がともに歩み寄って研究するということも考えて良いのではないか。
日韓両政府は会談の成果を、17年ぶりとなる「共同文書」として公表し、首相は会談で歴史認識について触れ、植民地支配へのお詫びを示した小渕政権下での日韓共同宣言を引き継いでいるとした。
当初は韓国新大統領の言動を気にしていたが、その心配も薄らぎ、これから日韓両国は、アメリカとも連携しつつともに手を携えて良好な関係を、更に堅固なものにしていくことが求められると思う。