6672.2025年8月19日(火) 党内は辞任論、世論は石破政権支持率向上

 政治のことは、日本のみならず世界でも分かりにくいことが多い。今世界ではウクライナ戦争の停戦問題が話題になり、米ロの首脳が会談し、更に当事国のウクライナのゼレンスキー大統領とヨーロッパの首脳らが会談しているが、残念ながら停戦の話はまとまるような希望も期待も持てない。

 一方国内の政治も行き詰まったような印象で、一向に前向きで国民の期待に応えてくれそうな政策も実行計画も見えない。政治不信が言われてから大分経つが、相も変わらず同じ政党内で対立や抗争を繰り返して、政党内で内輪もめばかりである。

 実は、先の参議院選挙で与党、自民党が大敗して総理総裁である石破首相の責任論が問われて、党内外から辞任論が出ているが、首相自身は辞める気持ちはなく続投を公言している。首相の辞任論を唱える自民党議員らは、昨年の衆議院選、5月の東京都議選、そして7月に行われた参議院選で3連敗を喫した責任を取らべきであると主張している。確かにそれぞれの事象を捉えれば、その時責任者であった石破首相が責任を取るべきと主張するのも理解出来る。しかし、よく考えてみると衆議院選は岸田前首相時代の負債を負わされたことがはっきりしている。また、今年に入って行われた都議選及び参議院選は、裏金問題を解明せずにそのまま放置したことが自民党不振の原因である。加えて、裏金問題の元祖は、旧安倍派にあり、派閥解散を打ち上げていながら、依然として旧派閥仲間で行動し、明らかに派閥解散は名ばかりであり、裏金問題解決も積極的に行わず中途半端である。それにも拘わらず、選挙戦の大敗を裏金、派閥問題とは無関係の如く、ただ選挙戦に敗れた石破首相の責任を追及することによって、それらの問題をすら隠蔽しようとしているように感じられてならない。

 各メディアでも内閣支持率の世論調査を行っているが、最近石破政権支持率がやや上向きに転じている。例えば、7月に比べて今8月の調査では、内閣支持率が朝日(29⇒36%)、NHK(31⇒38%)、時事通信(21⇒27%)のように、それぞれの調査では石破政権支持率は上向きである。党内反石破派が、首相の責任論から首相辞任を声高に叫ぶ声がある中で、世論は案外冷静である。首相を辞める必要がないという回答は、朝日54%、NHK49%、時事40%とさほど騒ぎ立てていない。もちろん石破首相には自民党を率いたトップリーダーとして、敗れた責任はある。しかし、ざっと見てみて石破氏に代わる後継者はいるだろうか。況してや、敗戦の原因を精査して今後党勢を伸ばしていく持論をしっかり持っているだろうか。

 こういうところにも勉強しない世襲政治と裏金のような献金を競うような政治から足を洗うよう心機一転すべきではないだろうか。

 

2025年8月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com