6670.2025年8月17日(日) 忘れてはならない終戦記念日

 昨日アラスカで行われたトランプ大統領とプーチン大統領の首脳会談について、世界中から失望の声が聞こえる。トランプもプーチンにしてやられたとの印象が強い。プーチンがロシアとアメリカの国土が4㎞しか離れていないと親近感を訴えるような発言をしていたが、確かにカムチャッツカ半島とアラスカ間の距離は近い。だが、時差に例えると4㎞が20時間の差になる。時間的にはほぼ1日離れているということになる。そして、両首脳の会談は、時差並みに相当米ロ間の距離があったことを露呈することになった。強気一点張りのトランプ大統領であるが、ここは大分評価を下げたように感じられる。

 トランプ氏は、十点満点で大きな進展があったと語っているが、アメリカ国内のメディアは一応にトランプ氏に対して厳しい評価を与えている。「アメリカ最大の恥」、「プーチンの勝利」と厳しいメディアに同調するように、政治学者イアン・ブレマー氏は「何も譲らず時間を稼ぎ、制裁もない。勝ったのはプーチンだ」と手厳しい。

 さて、今月は終戦80周年という節目の年であり、日本と同様に第2次世界大戦に参戦した国にとって、いずこも終戦の日を迎えたことになる。ところが、第2次世界大戦終戦の日、或いは独立記念日は国によってマチマチである。それはその国の参戦の事情による。例えば、敗戦国の中でも日本、ドイツ、イタリアは終戦の日が異なる。日本が8月15日に決めたのは、14日に日本政府がポツダム宣言の受諾を決め、15日にはアメリカ軍が最後の空爆を敢行したが、昭和天皇による玉音放送で国民に終戦を伝えたからである。しかし、一部には日本が降伏文書に調印した9月2日を終戦とする国が多く、アメリカはこの日を「対日戦勝記念日」としている。

 一方、同じ敗戦国のドイツでは、5月8日に連合国軍の降伏文書に調印してこの日がドイツの無条件降伏の日、つまり終戦の日と決めた。他方、イタリアでは22年以上に亘り続いたファシズム、及びナチ・ドイツの支配から解放された4月25日を解放記念日としている。イタリアでは、ムッソリーニ独裁政権に対抗するパルチザンによるレジスタンス、ドイツ軍への反乱を続けて1945年4月25日にミラノを解放し、イタリアを事実上の終戦へ導いた。

 日本が進軍して支配していたアジアの国々でも、第2次世界大戦終戦についてはいろいろの説がある。インドネシアでは、日本の終戦記念日の2日後、8月17日を独立記念日としている。

 ビルマ(現ミヤンマー)には日本と同じ8月15日を終戦と捉える考えがある反面、旧宗主国イギリスからの独立を果たした1948年1月4日を独立記念日としている。実際かつてビルマへよく訪問して政府関係者とも懇意にしてもらっていた当時は、毎年1月4日の独立記念日と称する日に、日本のビルマ大使館で開かれる祝賀パーティに招待されていた。

 一般的によその国の独立記念日にはそれほど関心はないと思う。せいぜいアメリカの7月4日とフランスのパリ祭7月14日ぐらいだろう。ただ、日本の終戦記念日を疎かにしてはいけないと思う。日本にとって厳しかった太平洋戦争が終わったことは、大いに喜ぶべきである。それは自ずから反戦の気持ちを心に留まらせるからである。戦争を知らない人が増えているが、それでも少しでも彼らに反戦の気持ちだけは持ってもらいたいものである。

2025年8月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com