6636.2025年7月14日(月) パリ祭の今日、日本の政治家はどんな気分?

 フランスでは、1789年の今日市民がバスティーユ牢獄を襲い、市民革命によってルイ16世王政を倒し新しい国家が生まれた記念すべき建国の日である。今もその歴史的伝統を踏襲して、フランス国民はパリ祭と呼ばれる独立記念日に国を挙げて祝っている。

 日本では、まだ徳川時代が続き武家社会が保たれていた。それから約80年後の1868(慶應4)年に漸く封建社会に別れを告げ明治維新が成り新政府が生まれた。3年後の1871(明治4)年、廃藩置県が実施された。明治政府が全国の藩を廃止し、府と県による行政改革を行って中央集権国家の確立を目指した。

 ついては、注目の参議院選挙投開票日まで残り1週間足らずとなった。今回の国政で思いがけず話題となっているのが、自民・公明の与党が現状の議席を維持できるかどうかということである。世論調査によると石破内閣の支持率が今ひとつぱっとしない。さりとて野党がこれという注目すべき政策をアピールしたかというとそれもない。その中で意外にも関心を呼んでいるのは、後ろ向きの外国人政策である。今まで取り立てて取り上げられなかった問題である。ただ、論点が主に排外主義の助長が目につきわびしい限りである。決して各政党が積極的に取り組んでいる問題ではない。

 昨年秋に実施された衆議院選では、人材不足から外国人の確保がひとつの焦点でもあった。それが今回の参院選では、外国人への規制強化や権利の制限を打ち出すような公約を掲げる政党が相次ぎ、それを訴える政党にその一点だけでやや勢いが見られるという転換が起きている。

 しかしながら、各政党がアピールしているのは、苦しい選挙戦を戦い勝つためだけの政策のような気がしてならない。こんなに急激に外国人排斥をダシに国の政治を変えるメッセージを訴える前にやるべきことはいくらでもあると言いたい。かなりSNSやXに影響を受けているようだ。そのほとんどに根拠がなく、例えば、日本の全体の生活保護費用の内外国人が1/3を占めているという好い加減な投稿があったようだが、実際には大間違いで、ほんの3%弱である。

 今回特にこの外国人に厳しいメッセージを示すようになったきっかけは、先般の都会議員選で初めて複数議席を獲得して勢いを得た参政党が、自信と高揚感から公約の中で、「日本人ファースト」を訴え、これが外国人排斥と受けとられた大きな空気、流れとなった点である。党の言い分は、「理念も制度もないまま経済合理性のみで進めれば、社会の不安定性や国民負担の増大を招き、国益を損なう恐れがある」と訴えている。どこまで真実を訴えているのだろうか。その点で、自民党や日本維新の会は今の程度で良しとして、ありきたりの政策しか打ち出さず、そこには確たるポリシーが見られない。それに引換え、共産党や社民党は、外国人労働者受け入れ体制を整備し、多文化共生社会の実現を訴えている。果たしていかなる結果を生み出すか、6日後の結果はどうなるだろうか、期待か、失望か。

2025年7月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com