6597.2025年6月5日(木) 日本の出生数漸減、人口減少は危機的

 近年日本の人口が減少していることは、ほとんど誰もが知っている。それが大きな問題となりつつあるのは、人口減少に「少子高齢化」を伴っているからである。高齢者はそれほど減らないにも拘わらず、新生児が減り若者全体の人口が減少するといういびつな構造に問題があるとされている。日本同様先進国、中でもイタリアやドイツは、日本と同じ問題に頭を悩ませているようだ。その一方、途上国などでは、人口は増え続けている。特にアフリカのニジェール、ソマリア、チャド、コンゴ、中央アフリカが、世界で人口増加率上位5位までを占めているのが現状である。

 昨日厚生労働省が公表した資料によると、昨年2024年の出生数は前年より4万余人減り68万6千人となり、遂に初めて70万人を割り込んだ。出生数は、1899年以来過過去最少を記録したことになる。益々少子高齢化傾向に拍車がかかっている。

 これらの出生数を見て思い出すことがある。あれは、1952年京都市内の中学2年生の社会科の授業だった。人口問題が話題になり、戦後まもなく毎年出生数が増え続けていた時代で、その数も毎年2百万人を超えていた。今後あらゆる場面で我々は厳しい競争に晒される可能性があると教師が話された。その時教師はこういう話もされた。我々1938年、39年の出生者はその前後と比較して2百万人以下で若干少ないので、我々年代はその負担はやや軽いだろうという安心させるような話だった。当時は、現実的な話はピンと来なかったが、それが今では逆に人口が減り続け、その一方高齢者が増えつつある現象「少子高齢化」問題が社会にとって大きくなりつつある。

 そのマイナスは、人口減少によって①労働力不足、②経済成長の停滞、③地方の過疎化、④高齢化による福祉サービスの負担増、⑤社会保障制度の維持困難、等々が考えられる。中でも懸念されているのは、高齢者の社会福祉制度を維持するための費用とその負担が、今後若者らに課せられるようになることである。将来若者が稼いだ収入が、高齢者の福祉のための費用負担となることで、若者人口が減り、高齢者人口が増える現象は、将来的に若者個々の負担割合額が多くなるということである。

 また、1人の女性が生涯に生む見込みの子どもの数を表す「合計特殊出生率」も1.15%で、1947年以降で最低となっている。その理由として、経済的な不安定さや、仕事と子育ての両立の難しさ、結婚及び出産に対する考え方や、それに伴う要因などが挙げられる。近年は離婚数が年々増えて、昨年婚姻数は前年に比べて2.2%増えて喜ばしい反面、残念ながら離婚数も前年より1.1%増えた。家父長制の崩壊、結婚生活に夫婦の考え方の違いなど夫婦生活にとって厳しい問題が積み重なって来たからだろう。この辺りも出産、子育てへの影響が及んでいる大きな原因のようだ。課題はたくさんある。

2025年6月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com