昔から正月2日はテレビにかぶりつきである。東京・箱根間往復大学駅伝とラグビー大学選手権準決勝2試合が中継放送されるからである。朝は駅伝を観て、午後からラグビーを観るのが最近何年間かの定番となっている。
駅伝で意外だったのは、予選会から勝ち上がってきた日本体育大が26年ぶりの往路優勝を決めたことである。優勝候補の駒沢大は9位と期待外れに終わった。近頃は出走大学もよく変わるし、強かった大学が予選落ちすることもあるので、実際どの大学が優勝するのか容易に分らない。かつては常連だった中央大や大東文化大も弱くなり、その中央大は今日往路で棄権したり、東海大と筑波大は出場権すら逸した。今年は最終区の山登りに昨年まで東洋大のエースとして往路優勝を決めていた、柏原選手のような話題になる力強い選手が見られなくなった。そのせいか、昨年完全優勝の東洋大は早稲田に次いで往路3位だった。勝負は明日の復路で決まる。
ラグビーはどうかと言えば、久しぶりに好試合を堪能した。特に、準決勝の第2試合、筑波大対東海大戦は互角の勝負で後半のノーサイド近くなって、逆転、再逆転のシーソーゲームの末、関東大学対抗戦優勝の筑波大が、リーグ戦優勝の東海大を28-26の僅差で破り決勝戦へ進んだ。もう一つの準決勝は対抗戦同率優勝の帝京大が早稲田に前半7-10とリードされながら、後半圧倒して逆転し、38-10で完勝して決勝戦で筑波大と対決することになった。
決勝戦に早慶明の伝統校のいずれもが出場しなくなって些か寂しい気もする。実際伝統校が出場するゲームは、かつては準決勝なら国立競技場を満員にしたが、今日は精々7分の入りだった。しかし、考えようによっては、これはこれで新しいファン層を掘り起こすことにもなるのではないかとも思う。仮に筑波大が優勝すれば、国立大が大学覇者となる。団体スポーツで国立大がチャンピオンになるなどということは、アメリカン・フットボールの京都大学以来ではないだろうか。
13日の決勝戦が楽しみである。
さて、昨日と今日、年賀状を数多くいただいた。知人からの多種多様な文面をじっくり見ていると、差出人の顔や姿がふっと浮かんでくる。
年賀状を書く習慣がついたのは、何といっても幕張小学校の湯浅和先生のご指導のおかげである。転入した5年生の正月から、版画を彫って書くようになった。それまで年賀状なんて知らなかったし書いたことがなかった。版画の年賀状を彫って書き続けてそのスタイルは大学卒業時まで続いた。先生は、年賀状を書くときの心構えも話してくれた。相手の人を思い浮かべて、その人に気持ちを込めて書きなさいということを教えてもらった。爾来普通の手紙を書くときもそんな気持ちでペンを持っている。印刷技術もなかった当時から、今日まで親しい人や疎遠になった人でも相手を思い、できるだけ宛名は万年筆で気持ちを込めて綴るよう心がけている。
湯浅先生は子どもたちのことを考え、児童教育、とりわけ情操教育に熱心に取り組んでおられた。思いやりの心を教え子にしっかり教えてくれた。写生や俳句を教え学ぶためによく校外へ生徒を連れて出かけた。まだ50歳代で亡くなられてしまったが、海外から絵葉書を送ると必ず丁重な礼状をいただいた。
年賀状を手にして思い出すのも、幼いころの恩師の生き方と教え方だ。湯浅先生には随分いろいろなことを教えてもらい今でも感謝している。これからもできるだけ先生の教えを守り、気持ちを込めて手紙を書くよう努めたいと思っている。