去る21日に亡くなったフランシスコ・ローマ教皇の葬儀が、昨日晴天の下にバチカンのサンピェトロ広場で行われた。160か国以上の国家元首や首脳らが出席された。沿道に詰めかけた市民らを合わせると約40万人が教皇に別れを告げたことになるようだ。
この厳粛な場においても弔問外交が行われ、「吐乱夫」大統領とゼレンスキー大統領がサンピェトロ大聖堂内で向かい合って15分間の電撃的な会談を行った。何とこの2人は服装でも物議を醸したようだ。日本でもエチケットとして当然葬儀の服装についてドレスコードがあるが、ご両人は知ってか、知らずか、葬儀の際の喪服を着ていなかった。コードには、黒装束に、白いワイシャツ、黒ネクタイ着用と決められているが、「吐乱夫」は、青いコートに青いネクタイ、ゼレンスキー氏は黒一色だった。これには、メディアの間からも疑念を呈されている。
「吐乱夫」は葬儀場の位置でも注文をつけていた。事前に最前列の目立つ位置でなければ、葬儀に出席しないと強硬に主張していた。フランス語のアルファベット順に並ぶ参列者の順序から考えて、アメリカ(les Etats-Unis)は本来3列目の筈だったが、関係者はその強引さに負け、「吐乱夫」は最前列に並ぶことが出来た。ルールとか、世話人の苦労を顧みず、いつでも非常識な自己主張を通して周囲を悩ませ困惑させる「吐乱夫」大統領らしいと言えば、そうも言える。この他人に迷惑をかけ我が物顔の図々しさに、昨日ワシントン・ポスト紙が報じた最新の世論調査では、明日トランプ政権が発足してから100日を迎える大統領の支持率が、39%に下落してフランクリン・ルーズベルト以降歴代で最も低い支持率となった。
しかし、これほど自己主張で世間を煙に巻く人物も珍しいと思う。とてもまともに話し合える人ではないと思う。まだこの先3年9か月も大統領の座に留まっていると考えると、各国が我慢できるだろうか。
さて、今日からちょうど1か月前にミヤンマーに大地震が発生した。元々貧しい国で、そこへ2021年2月国軍の軍事クーデターにより民主派政府が崩壊させられ、国内は混乱の最中にある。地震発生直後から国軍のミンアウンフライン最高司令官は、国際社会の支援を要請したが、必ずしも全面的な支援の恩恵には浴していない。厳しい目を注がれている国際社会からの支援は、充分とは言えず、貧しい国民は援助物資を得られない中で貧窮生活を送っている。国軍と少数民族武装勢力との内戦も止む気配はなく、それが海外からの支援を充分受け入れられない原因のひとつにもなっている。国連開発計画が2024年に公表した世界の最貧困国30か国のうち、28か国がアフリカの国々であるが、残り2か国がアジアで、ミヤンマー23位、ネパール29位で、その前年2023年のミヤンマーの貧困率は、49.7%である。地震により貧困率は更に悪化しているのではないかと気がかりでならない。ミヤンマー近現代史を専攻されている長田紀之・九州大准教授は、震災は国軍にとって「棚からぼた餅だった」と穿った見方をしている。というのは、「国軍は自らの正当性を主張すると同時に、対立勢力が正当性を得る状況を防ぐ狙いがあった」、「国際社会がミヤンマーに手を差し伸べざるを得ない状況を、国軍は利用できる」と考えたとみている。しかし、国軍強奪した現在の国の現状を国際社会は、必ずしも支援に値する状況にはないとみているようだ。ミヤンマーの復興はまだ遥か遠い彼方にある。