6553.2025年4月22日(火) 復活祭の翌日、ローマ教皇永眠

 一昨日キリストが蘇ったことを祝う復活祭に、病み上がりのローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇がサン・ピエトロ教会のテラスから挨拶を行ったばかりだったが、その第266代教皇が思いがけず昨日亡くなられた。88歳だった。復活祭を終えた翌日に神の身元へ召されるとは、教皇の旅立ちにはドラマチックなものを感じる。フランシスコ教皇は、アルゼンチン出身で中南米大陸から初めて推挙された教皇である。新しい教皇は、近日枢機卿らによるコンクラーベによって選ばれる。

 ローマを訪れれば、必ず訪れるのがバチカン市国のサン・ピエトロ大聖堂である。その右隣にあるチャペルから参拝する人々に手を振っている当時の教皇を拝見したことがある。あれは、今から40年ほど以前のことだった。広場にいた人たちは静かに手を振っていたことを覚えている。教皇の行くところ信者をはじめ多くの人びとが寄って来るようだ。2019年には教皇は広島、長崎を訪れ核兵器の廃絶を訴えた。日本では仏教の最高職にある人がどういう人物で、いかなる権威がある人なのかは、ほとんど知られていない。日本人で多くの人が一目見ようと寄って来るのは、天皇をはじめとする皇室の方々くらいだろう。さもなければ、スポーツ選手が功績を上げパレードをした時くらいではないだろうか。

 さて、世界中に不安と混乱を与えつつあるトランプ米大統領について、最近のロイター調査によると大統領に復帰して3カ月が経ったが、その間支持率が42%とこれまでで最低に落ち込んだそうである。それでも石破首相の支持率が回復して30%となったのに比べれば、心配には及ばないと言いたいところだが、2大政党性が確立しているアメリカで支持者が半数に満たないのは、かなり支持がないということになる。その具体的な根拠として、大統領の意に反して長期金利の利下げを容認しない連邦準備制度理事会(FRB)パウエル議長を解任しようとの試み、アメリカの名門ハーバート大学に助成金支給停止処分、グリーンランド買収行為、パナマ運河奪還公言、最近関税問題で世界市場を混乱に陥れ最大のGDP5.2%下落、等々多くの人びとに傲慢な言動が脅威を与えている。そして、日米関税交渉では全く根拠のない数値などを示して日本に圧力をかけようとする身勝手な姿勢には、100%近い日本人が反感を抱いていると思う。

 今話が進められているウクライナ戦争停戦案についても、トランプ氏は現在ロシアが占領するウクライナ領土はロシアの支配下に留まることを盛り込んでいるようだが、当初よりウクライナは、2014年にロシアが一方的に侵入、占領したクリミア半島を取り返すことが戦争終結の条件と言っていたにも拘らず、トランプ氏が提案したクリミアを含め現在ロシアが占領下に置いている東部4州についてもロシアに引き渡すとの停戦条件は、ウクライナが受け入れる筈がない。それにも拘らず、トランプ大統領は停戦がまとまらなければ、数日中に手を引くだろうと、積極的に戦争終結に当たり直ぐにも実現して見せると大見えを切っていたが、不誠実にもいとも簡単に放棄している。この大統領の不誠実さが、漸くアメリカ人の間でも分かって来たのではないだろうか。

2025年4月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com