2081.2013年1月23日(水) アベノミクス信奉者は財政再建をどう考えているのか。

 今や怖いもの知らずとなった安倍首相のアベノミクスは、最近の株式市況の活況に勢いを得て、益々加速されている。昨日は日銀と共同声明を発表してデフレ脱却へ向けて政府・日銀一体となって景気回復へ取り組む姿勢をアピールした。

 しかし、日銀が政府との共同声明に名前を連ねたのは、半ば政府に脅されたこともあり、決してこのやり方がベストと心得ているわけではないと思う。政府は日銀法の改正までちらつかせながら日銀の独立性を脅かし、あまつさえ政府に従属させようとの素振りすら見せていた。日銀は政府に逆らえず軍門に降った結果が昨日の共同声明である。

 その効果が表れるかと思いきや、共同声明発表前後の先週末以来3日連続して株価は大きく下がり、円安傾向だったものが円高気配に変調した。現実はそうそううまく行くわけではない。肝心要の財政再建が相変わらず放ったらかしだからである。ラガルドIMF専務理事からも、日本の円高是正の気持ちは理解できるが、国の借金を減らす財政再建に取り組むこと方がもっと大事だと指摘される始末である。大きなお世話ではあるが、図星ではないか。

 経団連の主要会員企業には輸出産業が多く、輸出が伸びないことには会員企業の景気が回復せず、政府も彼らの希望に沿わなくては信頼感を得られまい。言ってみれば、景気回復とは輸出産業の景気を回復させることなのだ。安倍首相が昨日のテレビ朝日「報道ステーション」に出演して発言したのは、輸出関連業者の尻馬に乗った言葉であり、本質は彼らの願いを代弁して発言させられているのである。

 さて、今日はペンクラブと旅行作家協会会員でもある山本澄子さんに誘われて、現代日本で最高の女性活弁士として知られる、澤登翠さんのディナー講演会が五反田駅前の「TOKO HOTEL」で開かれ参加した。澤登さんは海外でも活動している。外国にはあまり活弁士というのはいないそうだが、日本にはかつて徳川夢声ら約7千人もの活弁士が活躍していたそうである。澤登さんが話の中でアテレコを声色を使って解説したのが中々面白かった。

 この講演会を主催したのは、日本旅行作家協会の一部門で、その中心となったのが山本さんで、80+X歳にしてなお壮健にしてご活躍中であり、まさに脱帽である。

テーブルをご一緒したのは、山本さんから紹介された映画に詳しいペン会員の飯島一次さんと、ペンでいつも一緒になる西原さんと初対面の日本写真協会の滝アヤさんだった。西原さんは東日本大震災以降ほとんど毎月のように被災地を訪問して、被災者の姿をカメラに収め、取材を続けている。その成果として3月には取材記録を小説として上梓されるという。書名は「海は憎まず」とのことで、日新報道からペンネーム「穂高健一」の名で発売されるので、ぜひ買って欲しいとの話だった。もちろん買うことをお約束した。

 午後11時半過ぎに政府の緊急記者会見が開かれ、菅義偉・官房長官からアルジェリア人質事件で安否不明だった日本人人質3人のうち、2人の死亡が確認されたと発表があった。これで事件の日本人犠牲者は9人となり、残り1人がまだ不明である。何ともやり切れないニュースである。

2013年1月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com