昨年5月に都内のある出版社から話を持ち込まれ、今進行中の業務がひとつある。それは、4年前に上梓した拙著「八十冒険爺の言いたい放題」が、日本語の分かる在日アメリカ人の何人かが読まれて、面白かったので、これを英語版で出版されてはどうかと出版社に話があったそうである。それがスタートである。その話を最初に聞いた時、幾分興味が湧いたが、本当だろうかと疑問もあった。それでも前向きに話を進め、書籍ではなく電子文書化して発行することで了解した。すでに一昨年日本語版の電子書籍版は発行して、一時アマゾンの売れ筋ベスト5に入ったことがある。今回の英語版出版に当たって、出版社に尋ねたのは、英文は英語翻訳に習熟した人がされるのかということだった。その返答に驚いた。何と今流行りのAIで文章化するというのだ。そして、今日その初校の原稿が出版社から送られて来た。ざっと230頁に亘る「大著」である。
初校に目を通すに当たって、私自身英語力に特別に自信があるわけではない。況してやコロナ渦の影響もあり、2017年にバルト3国を訪れて以来海外旅行をしておらず、英語の臨場感覚から遠のき、最近ではほとんど英語を使わなくなってしまった。そんなわけで英語力に自信を失いかけている時だけに、初校をチェックするに当たり、大学ゼミで普段から親しい後輩の、アメリカ滞在経験が長い、英語翻訳本を何冊か出版されている女性に最終チェックをお願いすることにしている。
初校の綴りをパラパラっと捲った限りでは、「タイトル」、「目次」、「固有名詞」などに気になる箇所が散見された。特に一番重要な前記の「タイトル」が「Experiencing the Real World for Eight Decades」とされている。これではあまり前向きな行動がタイトルに表れていないような気がしている。「八十冒険爺」を「An Over 80 Aged Adventurer」にしては、とか、「Experiencing」より「Challenging」とか、「Acting」、「Trying」にした方が良いのではないかと身勝手に考えている。いずれにしろ、最終的には後輩女性のお手を煩わさなければいけないと考えている。ちょうど税務申告書の作成に取り掛かっている最中でもあり、時間的に少々きつい。それでも出来上がって世に出たら、どんな評価を受けるだろうかと興味は尽きない。
3月には、NPO「知的生産の技術研究会」の仲間たちが、新しい季刊誌を発行することになり、私も仲間のひとりとして一文を寄稿した。今後3カ月ごとに寄稿することになっており、86歳にしては少々忙しい。
さて、今日は全国的に厳しい寒さが襲うと数日前から気象予報で予告が出ている。特に関東甲信地方は、山沿いで雪が積もるところがあり、東京都内でも明朝にかけて雪が降るようだ。漸く咲きかけた梅の花も出鼻を挫かれることになるのではないだろうか。まだ、我が家に鶯は訪れないが、シジュウガラや他の野鳥はしばしば飛んで来て目を楽しませてくれる。鶯が訪れ「ホーホケキョ!」と啼いてくれるのを一日千秋の思いで待っている。