6471.2025年1月30日(木) トランプ大統領に倣いヨーロッパが右翼化

 今抱えている健康上の悩みのひとつに心臓不整脈がある。2週間前に受けたホールター心電図の結果を知るために今日慶應病院循環器内科を訪れた。結果的には医師から不整脈の様子は、現在のところ特に見られないと安堵するようなことを言っていただいた。2か月後にまた同じ心電図検査を受ける予定である。取り敢えずホッとしたところである。

 さて、今朝の朝日新聞社説に「トランプ新政権―強権政治へ向かうのか」の見出しで、就任して以来10日を経過した大統領の言動を書き出し、その独善的な政権運営に非難を交えて前途を懸念している。これまでにも私自身本ブログにいくつも挙げてきたが、トランプ大統領のとても常識的とも思えない政治家としての言動を批判し、かつそれを止められなくなったアメリカ政界とアメリカ国民に失望している。良識的に容認される筈のないことを述べては、顰蹙を買いながらも止めようとしない唯我独尊ぶりである。中小国に対して威圧で臨み、中国やロシアには取引を求める。恐らく日本に対しては本心では、終戦直後と変わらない日本占領意識、と疑似植民地化を求めているのではないだろうかと疑念を抱いている。言動は保守的から極右的となり、民主主義大国も実態としてはトランプ帝国である。

 実は、トランプ・アメリカに限らず、今ヨーロッパでも民主主義が危機を迎えつつある。各国の議会で極右と極左が台頭し、これまでヨーロッパの民主主義を支えてきた中道勢力が後退している。とりわけ極右政党の飛躍、発展が際立っている。フランスでは、極右政党「国民戦線」を創立し、先日他界したジャン・マリー・ルペン氏の娘マリーヌ・ルペン氏が統率する国民戦線の伸張により、昨年の国民議会選挙でマクロン大統領の与党「再生」は大敗し、249議席から159議席にまで議席を激減させされた。マクロン政権は、今や手足を抑えられ風前の灯になってしまった。

 ドイツにもその傾向が見られる。第2次大戦中ユダヤ人を抑圧し、アウシュビッツ収容所が多くの訪問者が見学する中で、ドイツ人はユダヤの母国イスラエルに遠慮がちの対応を示していたが、近年はドイツにも再びネオナチ現象が現れ、またもやイスラエルに厳しい目を向けている。

 その他の国の首脳の中にも、旧東欧圏のハンガリーのオルバン首相や、ドゥダ・ポーランド首相も右翼的言動のトランプ大統領の登場を歓迎しているという。そこに隠れネオ・ファシスト呼ばわりされているメローニ・イタリア首相が、ヨーロッパの右傾化推進に存在感を表してきた。

 この状況をニューヨーク・タイムズ紙は、あるイタリア人政治ジャーナリストに筆を執らせ、トランプ大統領がヨーロッパに同盟国を広げ、「トランプ主義連合」を作り、その格好のパートナーがメローニ首相であるとの記事を紹介した。世界は益々騒がしくなりそうである。東海の孤島「日本」には、まだ上陸していないが、早晩日本にも右翼旋風が襲うことだろう。心しなければならない。

2025年1月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com