一昨日のテレビ朝日「モーニング・バード!」で、長い間に亘って年金の無駄遣いを追求していたドキュメントを放映していた。興味深いテーマだったので、そのままずっと観ていた。その当時多額の年金がKKRホテル・チェーンとリゾート施設のグリーン・ピアに投資され、真っ赤な赤字経営の末に巨額の負債を残してわけの分らない清算処理をした無責任ぶりが話題になったが、これはその様子を追ったドキュメンタリー番組である。
43箇所のKKRホテルへの投資額は総額390億円であるが、グリーン・ピアへの投資額は桁違いの実に3728億円である。前者はある程度利用客もあるが、後者は辺鄙なリゾート地へ立派な移設を作って利用客が少なく、とてもまともな営業展開が行えず、最後に施設をすべて二束三文で売却処分した。その売却価格がすべてを足しても僅か48億円にしかならず、差引き3680億円の膨大な赤字を抱えたまま清算処分されることになった。結局グリーン・ピア事業は年金加入者の積立金である貴重な財産をドブへ捨てたようなものである。これが年金事業団を財政的に苦しめる結果となって今に至るまで尾を引いている。しかも、この投資資金は国民厚生年金であり、公務員共済年金からはビタ一文投資されなかった。役人たちの互助組織である公務員共済年金はKKRホテルへ投資されて大きな怪我をすることがなかった。この辺りの内部事情は分らないが、いずれにしろ「官」は損害を被らず、「民」が損害を負うパターンは相変わらずである。
それにしても「官」の好い加減な処分と責任を取ろうとしない図々しい態度が癪に障る。当時の厚生省と厚生年金事業団の世間を甘く見たアルバイトのせいで、年金財政は極端に苦しくなった。その挙句が社会保険庁の解散となり、新たに発足した日本年金機構による新しい形態となって事業自体は続けられているが、この大赤字を作った張本人の処分は見過ごされたままになっている。結局役人たちは誰ひとり責任を取らなかった。ひょっとすると、彼らは厚生年金原資に穴を開けておきながら、シャーシャーとして今日悪びれることもなく多額の共済年金を受け取って優雅な暮らしを送っているのではないかと思うと余計腹が立って仕方がない。
今に始まったことではないが、役人天国のわが国では結局公務員は仕事面で手を抜いても、悪さを行っても救済される仕組みになっているのだ。これは「一票の格差」以上に不平等であり、敢えて言うならこの役人たちの所業こそ憲法違反ではないか。