6090.2024年4月24日(水) 日本語は縦書きか、横書きか?

 今日小雨降る中をウォーキングに出かけたところ、いつも通る立派な邸宅の前でホーホケキョと鶯の鳴き声が聞こえて来た。広い庭園内には他にも鶯が囀っていた。もう4月下旬だというのに随分遅い。しばらく立ち止まって気持ちよく聞いていたが、我が家では今冬は鶯が鳴いてくれなかった。時節外れの美声に心地よく耳を傾けた。心がほっかりするような気分である。

 さて、国民の間に政治不信を招いた自民党派閥裏金の最大の問題点である政治資金規正法について、各党とも改正することを前提に試案作りに没頭している。昨日漸く各党の試案が公表された。自民党作業チームの座長を務める鈴木馨祐・元外務副大臣は、「厳しい罰則を導入して再発防止に向けて抑止力を効かせることが最大の趣旨で、『知らない、秘書がやった』という言い訳は出来なくなる」と「連座制」の導入までは踏み込まなかったが、「それに近い制裁である」と述べた。与党公明党と立憲民主党は、あくまで連座制の導入を主張している。自民党案では政治団体が資金を受領の都度、議員の確認書を義務付けし、収支報告書の不記載の場合、記載しなかった収入を国に納付させる措置を取るというようにまとめた。与野党内でも意見が割れているようだが、結局自民党案は、裏金が判明しても首までは撥ねないが、厳しい処分をするという結論である。これまでいろいろのケースを見てみると、毎度のことながら、「喉元過ぎれば熱さを忘れる」となるのではないかとの懸念が残る。各党の案を突き合わせて、実質的に効果が目に見えるような結論を出して欲しいと思う。

 ついては、去る6日付朝日新聞「天声人語」に、少々気になることが書かれていた。日本語の縦書き、横書きについてである。著者は時代の趨勢に惑わされ首を傾げている。縦書きで行替えしたら左へ新しい行を作る。ところが、歴史年表では古代から近代までの史実を縦書きに記しても次の行は右に移ることが多い。どうしてだろうか。縦書きの教科書の中でも、近年は縦書きより横書きの方が一般的となり、小学校の教科書でも国語以外はすべて横書きだという。そして当然ながら数字は漢数字より算用数字を使用するケースが増えた。この原因のひとつに、ITの普及とともにデジタル時代に入った影響があるという。横書き社会になると、寂しいことに日本文化の中心でもあった習字とか、和歌の世界は情緒が消えるのではないかと思う。経典などはどうするのだろう。

 今や漢字の母国である中国ですら、新聞が横書きにされている現状である。元々漢字は表意文字であるが、中国では漢字の1文字1文字に意味がある文字自体を簡略化して、意味不明にしてしまった。今や文字というよりマークとなった感がある。その点では台湾は、漢字を崩すようなことはなく略字はない。従って街で看板を見れば、その意味は日本人なら少しは理解できる。

 現在日本では日刊紙は、ほとんど従来通り縦書きである。しかし、大手新聞社でも電子版はほぼ横書きである。それぞれに利点はあるようだが、普通の新聞が横書きになったら、どういうわけだか、販売数は落ちるだろうと見られている。

 横書きの場合は左から右へ書いていくのが普通であるが、変わったところで、アラビア語は横書きでありながら右から左へ向けて書いていく。最初このことを知った時は、不思議でならなかった。それについて、大分以前にパキスタンでアラビア文字が書かれている街の中で地元の人に尋ねたことがある。他の言語が左から右へ書くのに、どうしてアラビア語は右から左へ向けて書くのかと尋ねたのに対して、昔は石板をノミで彫って文字を書いていたので、どうしても右から左へという書き方になると納得できる答をもらったことがある。なるほど、何となく分かった。

2024年4月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com