6085.2024年4月19日(金) 外国人観光客回復により観光業復活

 イスラエルがイランに対して報復攻撃を行うのではないかと噂されていたが、今日ついにイランを空爆したと欧米のメディアが伝えた。標的は、ペルシア時代の古都イスファハンを主に数か所のようだ。あのイスファハンを狙うのかと一瞬ショックを受けた。イスファハンは四半世紀ほど前に訪れたことがあるが、16世紀にはペルシャの首都でもあった、イランで最も美しい街「イランの真珠」と言われ、歴史の重みを感じる都市である。その中心には世界遺産イマーム広場があるが、あの広大な広場を取り囲むように建築された建物の中にアーケードがある。歴史的で、かつイスラム教の香りが漂ってくる価値あるそれら貴重な建物と広場が空爆されないことを、遥か遠くから祈るばかりである。

 今世界中から注視されて政治情勢が落ち着かないパレスチナ・ガザ地区では、厳しい社会状況に追い込まれた住民には、食料が充分ではなく飢餓状態にある。17日の国連安保理事会では、ガザ地区で依然戦闘が続いている現状に危機感を抱いて、ラザリーニ国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)事務局長が、「ガザ地区全域で人為的な飢饉が厳しさを増している。北部では子どもが栄養失調で命を落としている」と人道支援の拡大を訴えた。そのパレスチナ地区とヨルダン川西岸からなるパレスチナ自治政府は、現在国連では「オブザーバー国家」の地位にあるが、これを正式な加盟国にする決議案が、国連安保理事会に提出された。しかし、日本時間今朝6時に決議案が採決された結果、否決さてしまった。

 採決には、理事国15か国が出席し、日本を含む12か国が賛成したが、イギリスとスイスは棄権し、常任理事国であるアメリカが拒否権を行使したために決議案は否決された。アメリカは、イスラエルの考えに同調するためだけに国際世論に逆らってまでも反パレスチナ的立場を取っている。これでは、今のパレスチナ問題は永遠に解決しないのではないかと暗澹たる気持ちにさせられる。

 さて、コロナ禍もほぼ解消して観光業が、コロナ前に戻りつつある。最近の円安市場から、日本人の海外旅行より訪日外国人旅行者の数、いわゆるインバウンド客の伸張が目覚ましい勢いである。今年3月の訪日旅行者はほんの1か月で308万余人にもなった。私が旅行会社を辞めた2003年には年間でインバウンド客は521万人だったことを考えると昔日の感がある。上り調子のインバウンドは19年に3,188万人まで増え、この先どこまで増え続けるかと期待されていた。そこへコロナが流行り出して20年には外国人は412万人、21年には僅か25万人にまで減少してしまった。昨23年に入って漸くコロナの影響が消えかかったお陰で、外国人客は2,507万人にまで回復した。そこへ外国人にとっては有利なドル高円安(08年:1㌦=108円、現在:1㌦=154円)が進んだこともあり、今年は3月だけではなく年間を通して外国人観光客は増えるようで、JTBは24年の訪日外国人客数が3,310万人で過去最高になると予測している。

 その一方で、観光業の発展とともに嫌な言葉だが、「オーバーツーリズム」という言葉が使われ始めた。観光地が多すぎる観光客のせいで、交通渋滞や反モラル的行為が目につき出したのである。しかしながら、外国人観光客が日本へ落とすお金も多く、観光庁によると彼らの日本における消費額は、23年に過去最高の5.3兆円となった。今後もインバウンド観光業は日本の国家財政を潤わし、かつては少しでも観光の重要さを話すと「何を言うか、旅行屋風情が!」と役人に侮蔑的な言葉を言われたことがあったが、もうそんなことは言わないだろう。

 ただ、前記のようなオーバーツーリズムによって多くの問題点も明らかになったが、他にも、SNSなどに外国人旅行者排斥のような意地悪な投稿も目に付くようになった。かつては旅行業を片手間的な扱いにしていた観光庁は、日本の都市と観光業界の発展のためにこれを上手にさばいてうまく交通整理をやってくれるだろうか。

2024年4月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com