6073.2024年4月7日(日) 4大文明とは異なるマヤ、インカ文明

 昨晩は雨が降ったが、今日は朝から好天に恵まれ、桜も満開ということもあり、ランチがてら花見に出かけようと妻ともども近所の呑川の桜並木を散策した。実に見事に桜が咲き誇っていた。心地よい陽気に誘われたのか、シートを敷いて食事を楽しんでいる人や、カメラで桜を撮っている人で呑川沿いはかなり賑わっていた。都内の最高気温も21.4℃でほぼ6月の気候である。正に日本は桜の4月こそが、日本を象徴するシーンであると感動を覚えた次第である。

 ついては、近く世界遺産であるマヤ文明の「チチェン・イッツァ」についてNPO紙に寄稿するが、改めて調べてみて新たにいくつか大事なことを知った。高校時代に世界史で世界の4大文明について学んだが、それらはすべて大河の畔に発達した文明だったことは良く知られている。ところが、マヤ文明は河川とは離れた山中の高地のジャングルの中に一大都市を築いた。当時のマヤ人の水源は豪雨による溜池や水が湧き出る池だったようだ。マヤの都市は、メキシコばかりでなくユカタン半島からカリブ海沿いに、グアテマラ、ホンジュラスへかけて広大に飛び地となって独立した都市国家が誕生し、発展した。この辺りもマヤ独特のユニークなところだが、他の文明を凌ぐ生活の知恵は、何といっても天文学にある。どこのマヤ都市にも天文台があり、正確な天体観測を行いながら天体知識を育み結びつけて、1年をマヤ暦に合わせ日常生活を営んでいたのである。その天体に関する知識の秀逸な点は、現代の暦とほとんど差がない1年の日数である。紀元前5世紀ごろには使用されていたマヤ暦の1年は「365.242128」日だった。閏年制を採らなかったために長い年月の間にすこしずつ逸れていったが、それにしてもこの1年の日数の正確度は卓越している。明晰な頭脳なくしては、ここまで計算出来なかったと思う。

 そして、昨晩NHK・BS「はるかなる古代文明/南米アンデス・インカ幻の黄金文化を探せ!」が、アンデス・インカ文明について1時間半に亘って中米に繫栄したマヤ文明とは、別の発展の歴史を辿ったインカ文明について分かり易く伝えていた。これもマヤと同様、高地に築かれた都市国家だった。若干マヤ文明より遅れて発展し、ピラミッド内に秘蔵された人体や装飾品が多く発見された。当時エルニーニョ現象の影響による豪雨で飲料水を賄っていたのだろう。高い山の上に建設されたインカ都市は、太陽神を崇める王の下に数万人単位の人びとが生活し、文明を築いた。平地に築かれたアジア文明に馴染んだ我々には多少意外感と違和感があるが、こんな高地ジャングルによくぞ、後世に誇れるような文明を開花させたものだと感銘を受ける。

 常識的に知ったこれら中南米の古代文明については、学校教育では細部についてはあまり詳細に学ぶことはなかったが、改めてアフリカ、中東、アジアに栄えた文明とは、基本的に相違があることが分かった。これからも古代文明について、今まで以上の関心を持って学んでいきたいと思っている。

2024年4月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com