6063.2024年3月28日(木) 日本人の識字率の実態は意外に低い。

 昨日のブログに本を読まない人や、手紙を書かない人について取り上げたが、案外知らなかったのが、日本人の識字率が考えていた以上に低いということだった。日本人の識字率は、ほぼ100%と信じられているが、それはどうも幻想らしい。戦後憲法により学校教育は小中学校6・3制が義務化されて、2022年には就学率は99.96%にもなり、義務教育9年間に学んだ当用漢字1,850文字の読み書きは、中学卒業時には出来るようになると考えられてきた。

 ところが、20年の国勢調査によると最終学歴を「小学校卆」とした人が、約80万人もいたという。また卒業生と言えども病欠や不登校などで学校に通学せず形式的に卒業した人が結構多くいるということである。しかも近年は中学生の二十数人に1人が不登校と言われている。家庭が貧しいために中学生のころから働いて、夜間中学に通っている人も多い。そんな中で識字率がほぼ100%なんて考えられない。

 戦後GHQの占領下において、日本人の読み書き能力を調査して読み書きがまったく出来ない「非識字者」は、僅か1.7%でその水準はかなり高いとされてきた。それが昨今の社会の影響もあるのか、大分低下してきている。それが直接「読書をしない人」とか、「手紙を書かない人」になるわけではないと思うが、個人的な見解を述べるなら、読み書きは教養の基礎であり、学校をはじめ社会全体が意識して読み書き能力を上げるよう努めないと全般的にレベルは下がるということではないだろうか。

 国立国語研究所が調査の結果、「識字率がほぼ100%とされてきたことが『共同幻想』だったと世の中に知ってもらい、必要な施策を取らなければならない」と指摘した。こういう研究と施策を講じなければ、日ごろから本を読む習慣を失くしてしまうということにもなるのだろうか。

 さて、先日韓国でのアメリカMLB開幕戦の後明らかにされた違法賭博事件で、ドジャース大谷翔平選手の通訳だった水原一平氏が球団から解雇され、その後スポーツ・メディアで大きく取り上げられている。

 何といっても水原氏は大谷選手が信頼し、その活躍を身近で支えてきた人物だっただけに、大谷選手の銀行口座から多額の賭博資金を支払っていたことに、大谷選手をはじめドジャースの選手たち、家族らに衝撃を与えている。

 昨日大谷選手が記者会見で一連の経過につき文書を配布して発表した。これまでの大谷選手の活躍と優しい人柄などが多くのファンを惹きつけて来たが、大谷選手自身水原氏のウソに騙され驚きショックを受けたと語った。人柄の良さもあり大谷選手へ日本では多くのファンから同情が寄せられている一方で、アメリカでは必ずしも同情ばかりがあるわけではない。そこには底意地の悪さもあるようで、違法賭博を知ったFBIはシーズン開幕直前に大谷側に知らせずに、アメリカのスポーツ・メディアに情報を流したことである。それが水原氏への個人的TVインタビューとなり、結果的に大谷へのダメージが大きくなり、大谷が昨日文書ですべて水原氏のウソだと主張しても全面的に信用されていない空気がある。ネットでは、一部のアメリカ人の間にはアジアからスーパースターが現れたことに対する妬みややっかみがあるとされている。

 確かに疑問が多く、大谷選手は6億8千万円のような高額な資金を自分の個人口座から支払われたことにどうして気が付かなかったのか、また知ったとしたら何が故に大谷選手はストップを掛けなかったのか、理解出来ない。大谷選手側に軽率に看過した点があったと思う。まだ当分捜査が続くようで、その影響だろうか大谷選手のバットが火を噴かないようだ。どうも後味の悪さが残りそうな事件である。

2024年3月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com