予報通り今朝から寒く雨が降っている。庭の白梅と白椿もほぼ満開で風情が高まって来た。願わくば、野鳥の来訪を待っているところだが、まだ時折やって来る程度である。部屋から外を眺めているとやや寒々しい。暖かくなったり寒くなったり、今週は週末にかけて真冬の気候が続くようだ。実際昨日東京都心の最高気温が23.7℃だったのが、今日の最高は13.2℃で10℃以上も下がった。三寒四温なんてもんじゃない。それでも小雨の中を駒沢公園まで日課のウォーキングに出かけた。先日ほんの一分咲き程度だった河津桜がほぼ満開に近く見事だった。
天候不順でつい気にかかるのは、将来的に二酸化炭素放出に伴い地球温暖化による気候変動が進み、これからは気温上昇により環境面、生活面で生物に与える試練が厳しいものになることである。これは世界的な傾向で、昨日のテレビ報道によるとスイスやイタリアのスキー場の雪が少なく、営業を休止したスキー場が大分あるようだったし、アルプスの氷河も年々消え、流れ出た雪解け水で道路も遮断される状態である。国内ではこの1月の平均気温が13.14℃となり8か月連続して対前年月比で過去最高になっている。これまで最高だった2020年に比べても1.2℃も上昇している。気象庁は、今年の夏の長期予報を出したが、全国的に平均気温が平年より高くなる見込みと発表した。赤道付近の海面水温が高くなるエルニーニョ現象の影響がインド洋まで及び、日本の南方の高気圧の影響に伴い日本列島に暖気が流れ込むと見られている。
この地球温暖化現象は、海洋に影響をもたらし北極海の気温が図抜けて上昇しているという。シロクマの生活にも影響を与えているのではないだろうか。北海道大学など日本の研究チームもグリーンランドで北極海周辺の調査を行っている。最近インドネシア・ジャワ島に地震の影響から海水流入があり、その影響が懸念されている。同じジャワにある首都ジャカルタにもかなり海水が流れ込んだようだ。
海面上昇と言えば、地球上で過去10年間に海面が10cm以上も上昇しており、海抜の低い島々では海水の流入防止対策に苦慮している。南太平洋ではツバル島の水没化がよく話題になり心配されているが、中部太平洋の「気候変動に沈みゆく島」と言われているマーシャル諸島のキリ島の水没が身近に迫っている。このキリ島では、2015年2月にかなりの海面上昇があり、島内に大量の海水が流れ込み、島の9割が浸水した。2100年までに居住不能になると考えられている。周囲が約3㎞、人口は約200人で、15年の浸水で島から離れた人が多く、人口が半減してしまったちっぽけな島である。
島民は、生まれ育った故郷を去りたくないと頑丈な壁で囲いを構築するとか、敷居を高くするなどと、自営対策を講じているが、島の水没などは考えてもいない子どもたちは、島を離れてアメリカへ行きたいと無邪気なことを語っていたのが、哀れを誘う。
日本にとっても決して他人事ではない。このまま地球温暖化が進めば、日本列島近海の離島などでも海水流入の可能性が生じて来る。極力パリ協定に倣い、二酸化炭素放出の削減を図る自助努力の他に、排出量世界一のアメリカと2位の中国に対してCO2の削減に努めるよう説得する責任もある。